今年11月の中間選挙まで2か月を切る中、米共和党は9月9〜10日、テキサス州ダラスで共和党として初めてとなる「中間選挙全国大会」を開催しました。トランプ米大統領をはじめ党の主要人物が集結し、政権の実績をアピールするとともに、有権者に投票を呼びかけ、上下両院での多数派維持を訴えました。社会主義や共産主義への反対も繰り返し掲げられました。中間選挙をめぐる共和、民主両党の対決は、政策だけでなく、価値観をめぐる争いの様相も強めています。
9月9日、ダラスのアメリカン・エアラインズ・センターは祝祭ムードに包まれ、共和党の中間選挙大会が開幕しました。共和党が中間選挙に向けてこうした大会を開くのは初めてで、トランプ氏は「真に歴史的な出来事」「前例のない集会」と表現しました。
この日の大会には、トランプ氏、ヴァンス副大統領のほか、マイク・ジョンソン下院議長、トッド・ブランチ司法長官、ケネディ・ジュニア保健福祉長官、レビット前大統領報道官、ドナルド・トランプ・ジュニア氏らが登壇しました。閣僚や連邦議会議員、州知事、予備選を勝ち抜いた共和党候補らを含め、100人を超える党関係者が参加しました。
トランプ氏は約2時間に及ぶ基調演説を行い、11月の中間選挙に向けて共和党への支持を訴えました。激戦が予想される35の選挙区を自ら回り、共和党候補を支援すると表明しました。上下両院で多数派を維持する考えを示しました。
トランプ氏は、議会の多数派を守ってこそ、減税や国境警備、米国の繁栄と国力強化を目指す経済政策を継続できると訴えました。さらに、共和党が上下両院で多数派を維持すれば、米国の成人1人につき5千ドルの「配当金」を支給すると約束しました。
トランプ米大統領
「共和党が中間選挙で下院と上院の両方を制し、多数派を維持できれば、米国の成人市民1人につき5千ドルの配当金を支給します。われわれの経済は歴史上かつてないほど大きな成功を収めています。その圧倒的な経済力と成果があるからです」
トランプ氏は続けて、民主党は関税導入を認めず、投資も呼び込まないと批判しました。共和党が議会を掌握してこそ、米国経済が利益を生み、その恩恵を国民に還元できると語りました。
こうした主張には共和党だけでなく、一部の民主党議員からも支持の声が上がりました。
民主党のジョン・フェッターマン上院議員は動画で大会に登場し、トランプ氏への支持を表明しました。
フェッターマン上院議員
「私は常識ある民主党員です。私は常に米国とともにいます。そして、過激主義や社会主義、反米的な価値観や生き方には常に反対しています」
9・11同時多発テロから25年を迎える中、トランプ氏は国土の安全を守り、米国民の利益を最優先する姿勢を強調しました。
トランプ米大統領
「彼ら(過激派)は、不法移民が米国に押し寄せようが、誰かが家に押し入って盗みを働こうが、公園や街の通りが汚れ、活気を失おうが気にしません。家族がニューヨークの地下鉄の線路に突き落とされようが、あなたが暮らす州の野原で殺されようが、彼らには関係ありません。彼らはわれわれの国を憎んでいるからです」
大会には2万人を超える人が集まり、支持を示しました。
ヴァンス副大統領
「会場の興奮と熱気は、信じられないほど高まっています」
今年の中間選挙では、イランとの戦争とインフレが米国民の大きな関心事となっています。
9月10日の閉幕演説で、トランプ大統領は、米国はイランの動きをすべて把握しており、勝利できるとの自信を示しました。また、自身の就任後に卵の価格が急速に下がったことを振り返り、インフレも抑制に向かっていると訴えました。
トランプ米大統領
「イランとの戦争に勝てば、原油価格は下がります。戦争は今も続いているが、われわれは勝ちます。すでに勝ちつつあります。われわれはホルムズ海峡を掌握しています。ホルムズ海峡を『トランプ海峡』と呼ぶべきだと思います」
トランプ氏によると、過去20か月で米国は投資が低迷していた状況から、世界で最も注目を集める投資先へと変わりました。国境はかつてないほど安全になり、陸海空のあらゆるルートで、麻薬カルテルが米国に被害をもたらす経路を断っているとも述べました。また、国内政策によって働く人々の収入が大幅に増え、若者も住宅を購入し、アメリカンドリームを実現できるようになったと主張しました。
一方、社会主義を掲げる極左・進歩派の民主党候補が予備選で相次いで勝利しています。米国では、11月の選挙を、常識や伝統的価値観を掲げる候補と、共産主義的な主張を掲げる候補との対決とみる声も上がっています。
トランプ氏は有権者に対し、米国を売り渡させないため、11月3日に投票所へ足を運ぶよう呼びかけました。
トランプ米大統領
「皆さんの支持があれば、われわれはこの国をこれまで以上に強く、安全で、豊かで、自由で、偉大な国にします」
今回の中間選挙は、両党の政策をめぐる争いだけでなく、価値観をめぐる対決でもあります。
マイク・ジョンソン下院議長は大会で共産主義の本質を指摘し、米国が内部から脅かされているとして、今回の選挙は「史上最も重要な選挙」だと訴えました。
マイク・ジョンソン下院議長
「共産主義は無神論を土台としています。決して忘れてはならない。共産主義は反米的です」



