北京全域でドローン禁止へ 専門家「当局は疑心暗鬼」

中共が改定した「北京市無人操縦航空機管理規定」が11月15日に施行されます。これまでのドローンの飛行・輸送禁止から規制をさらに強化し、北京市全域で保有や保管も禁止します。ドローンの主要部品も北京市外へ移す必要があります。専門家は、中国共産党(中共)当局が警備や安全対策に過敏になり、極端な措置に踏み込んでいるとの見方を示しています。

新たな規定では、北京市全域が無人操縦航空機の管制空域とされています。いかなる組織や個人も、市内にドローンの倉庫や一時保管場所を設けてはなりません。ドローンの主要部品を保有、保管することも禁止されます。すでに北京に保管されている機器も、11月15日までに市外へ移さなければ、没収や罰金を科されます。

「首都飛行禁止区域」は9月20日に運用を開始しました。当局は、市外への持ち出しのほか、現地での買い取り、廃棄・回収、郵送など複数の方法でドローンを北京から移すよう求めています。

今回の改定は、当局が5月に最も厳しいドローン管理規定を導入した後、さらに規制を強化するものです。従来は飛行、売買、輸送が禁止されていましたが、新規定では保有や保管にも対象を拡大しています。さらに、ドローンや主要部品を北京へ運び込んだり、持ち込んだりすることも認められません。

大紀元のコラムニスト、王赫氏は、今回の規制強化には、6月に小型航空機が北京のランドマーク「中国尊(チャイナ・ズン)」に衝突した事件が関係しているとみています。

大紀元のコラムニスト 王赫氏
「小型機がビルに衝突した事件で、中共最高指導部は震え上がりました。自分たちの生命の安全が保障されていないと感じ、何としても万全を期そうとしています。そこから、今回のような非常に異例な政策が出てきました」

中国尊の事件は、北京の低空防衛の弱点を露呈しました。加えて、ロシア・ウクライナ戦争や、米国によるイラン、ベネズエラへの軍事行動ではドローンの攻撃能力が示され、北京指導部の緊張をさらに高めたといいます。

王赫氏
「現在のドローンは非常に高い戦闘能力を持っています。中共最高指導部を狙う斬首作戦では、突然実行できるうえ、実行可能性も非常に高いです。仮に北京に多数のドローンが飛んでいて、その中に中南海を攻撃する数機が紛れていれば、ただちに見分けて効果的に迎撃するのは難しいです。ですから、いっそのこと全面的に禁止してしまいました」

王赫氏によると、年初、中央軍事委員会副主席の張又俠が軍の厳重な警護下にありながら突然拘束されたとされる件から、中国尊への航空機衝突まで、一連の出来事を受けて最高指導部の安全に対する認識は根本から変わったといいます。

王赫氏
「習近平は極度に緊張しています。『傷弓の鳥』と呼ぶだけでは足りないほどで、今では疑心暗鬼に陥っています。警備や安全対策はすでに極端な水準に達しています」

中国では、もともとドローンに対する管理は厳しいです。

中国本土の元警察官、董広平氏は、自身もかつて4機のドローンを使用した経験があり、中国でドローンを購入する際には実名登録が必要で、各地に飛行禁止区域も設けられていると説明しました。

中国本土の元警察官 董広平氏
「ドローンには爆弾や手りゅう弾、発火装置などを搭載でき、無線で操作することもできます。事前に位置情報のプログラムを設定し、どこからどこへ飛ぶか、どこで着陸するか、物を置くか、撮影するかまで自動制御できます。飛行後に元の経路を戻ることも可能です。ですから中共は恐れています」

董広平氏によると、中共の中枢機関はすべて北京に集中しています。ドローンで習近平を直接攻撃できなかったとしても、首相や中央委員が標的になれば、国際社会を揺るがす大事件になり得ます。そのため、ドローンは規制対象として扱われているといいます。

董広平氏
「中国のほかの地域では現在、実名登録制度と飛行禁止区域が設けられています。ドローンを飛ばせば、当局はすぐに把握できます。さまざまな監視・検知手段があります。北京では管理が非常に厳しいのは間違いありません。共産党はいま、ドローンを非常に恐れ、強く警戒しています」

一方、董広平氏は、こうした規制は中共が推進する「低空経済」、つまり、ドローンなど低高度の空域を活用する産業と矛盾するものではないとみています。ドローンは今後も、農薬散布や農業、測量・調査などに利用できるためです。

董広平氏
「使う場合は、事前に申請し、使用する時間帯や場所もあらかじめ届け出なければなりません。今後は監督要員を派遣し、勝手に使わせないようにする可能性もあります。それだけ当局は強く警戒しています」

北京で導入された措置が中国全土に広がるかについて、王赫氏は、北京には中共最高指導部が集中しているという特殊事情があり、ほかの都市にはこうした事情がないと分析しています。

さらに中共は、ドローンと低空経済を米国との競争を左右する戦略産業と位置付けています。全国で同様の規制を導入すれば経済・産業への代償が大きいため、北京と同じ措置が中国全土に全面的に広がることはないだろうとみています。

 
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