「対外的な影響力の拡大が目的」独外相 中共「ワクチン外交」を批判

ドイツの政府関係者が、中共政権のいわゆる 「ワクチン外交 」を批判しています。

ドイツのハイコ・マース外相は5月15日にイベントに参加した際に、パンデミックの最中において、中国共産党の政策は、各国にとって益よりも害の方が大きいと述べました。

マース外相は「ワクチン外交は、緊急を要する国へのワクチン提供よりも、ワクチンを提供する国への見返り利益に主眼が置かれている」と述べています。

マース外相は、一部の国は地政学的な影響力を強めるためにワクチンを利用していると指摘し、具体的に中共とロシアを挙げました。

また、世界規模でワクチンを提供してこそ、世界はパンデミックに打ち勝つことができると付け加えました。

この発言は、マース外相のこれまでの中国批判と一貫性があります。

5月3日に開催されたG7外相会合で、マース外相はすべての国に中国の人権問題を重視した政策を講じるよう促しました。「各国は経済的利益に注意を払わなければならないが、同時に人権と自由も重視しなければならない」と述べています。

またマース外相は、独裁国家や権威主義的な政権は、常に独自の政治モデルで自由と民主主義に挑戦しようとしていると指摘し、そのためG7ではこうした違反行為に対処するための価値観や戦略を確立する必要があると述べました。

中共は数か月前から「ワクチン外交」を展開しており、これは対外的な影響力の拡大を狙ったものと見られます。

4月上旬の時点で、中共は80か国以上に中共ウイルスのワクチンを提供しています。英国の医療調査会社「Airfinity(エアフィニティー)」によると、中共は3月末の時点で約1億1,500万回分のワクチンを輸出しています。

 
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