G7サミット 台湾問題で沈黙を破る

G7諸国は中共への対応で大きな一歩を踏み出しています。しかしまだ足並みが揃っていない問題も残されています。報道をご覧ください。

G7サミットが、6月11日から3日間に亘り英国のコーンウォールで開催されました。

12日、世界最強の指導者たちが一堂に会して中国問題について協議する際、まず最初にインターネットを遮断するという大きな予防措置を取りました。それによって、中共について語った内容が盗聴されなくなります。

主要7か国首脳会議(G7サミット)は、毎年会合を開き、世界の最も差し迫った問題について協議しています。

そのメンバーは世界で最も豊かな経済を持つ国である米国、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本です。これらの国の経済規模を合わせると、世界経済の約半分を占めます。

今年の議長国を務める英国は欧州連合(EU),インド、豪州、韓国、南アフリカ共和国も会合に招待しました。

現在、議題で言及されている最も差し迫った問題の一つは中国です。3日間の協議の後、G7は台湾問題についての沈黙を破り、異例の発表を行いました。

G7は共同声明で「我々は、台湾海峡の平和及び安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的な解決を促す」と発表したのです。これまでG7は公然と台湾問題に言及したことはなかったので、これは異例のことです。

G7諸国にとって、台湾との交流は中共政権の神経を逆なでするリスクがあるため、台湾へのアプローチは常に一線を画していました。

また、G7諸国の経済は中国に強く依存しています。中共政権は台湾が中国本土の一部であると主張し、力づくで台湾を支配すると脅しています。

そして他の国々では、中共が台湾に侵攻してくるのではないかとの懸念が高まっています。というのも、中共政権が頻繁に台湾の防空識別圏に戦闘機を侵入させているからです。G7は「東シナ海と南シナ海の状況」を深刻に懸念しているとも表明しています。それは中共政権が南シナ海の係争海域を占領し続け、また日本との間で争われている海域に船団を派遣しているからです。

台湾問題の他にも、G7はさまざまな問題で中共政権を非難しました。論点となったのは中共ウイルスの起源調査、香港や新疆ウイグル自治区での人権侵害、そして特に中共の一帯一路計画への対抗策にまで及びました。

中共政権は数兆ドル(数百兆円)規模のプロジェクトを投資計画として宣伝しています。このプロジェクトでは、中共は世界中の港湾施設、高速道路、鉄道等の重要なインフラに資金を投入します。

しかし評論家は、中共政権はこのプロジェクトを利用して、貧しい国々に借金を負わせ、新たに資金投入したインフラを支配することで、これらの国に対する影響力を獲得し、何よりも西側諸国に対抗するためにその国々を利用していると指摘しています。

ホワイトハウスによると、米国は一帯一路に代わる対抗策の提供を目指しており、それは、開発途上国に数千億ドル(数十兆円)規模の融資を行うことができるといいます。しかし、G7は中共政権に対抗するという点で、一定の成果を上げていますが、中共への対応をめぐっては参加国の間で意見が分かれています。

米国、英国、カナダは中共政権に対して強硬姿勢ですが、一方、EU、ドイツ、イタリアは中国との貿易取引を危険に晒すことには及び腰です。ドイツ製自動車の3分の1は中国で販売されています。

したがって、G7諸国が中共への対応で足並みを揃えるかどうかは、今後の課題といえるでしょう。

〈字幕版〉

 
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