ロシア産エネルギーの輸入禁止 原油価格高騰の懸念

欧州と米国は先日、ロシアエネルギー資源の輸入禁止を検討すると発表しました。続いて日本も同様の措置を検討していると日本メディアも報じました。これを受け3月7日には国際原油先物価格が高騰し、市場はロシアに対するエネルギー制裁によって、国際原油価格が1バレル200ドルに達する可能性があると懸念を示しています。

ブリンケン米国務長官は先日、メディアの取材に対し、米国とその同盟国は現在、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁措置として、ロシアの天然ガスと石油に対する輸入禁止措置を検討していると述べました。

この話は市場を震撼させました。実施された場合、前例のない制裁措置となるだけでなく、2008年のリーマン・ショックに劣らぬ衝撃となるためです。

台新投資顧問世界戦略研究部 江浩農副社長
「ロシアが現在世界に輸出している原油は全体の10%を占めており、天然ガスは約20%だ。そのため、ロシアからの供給を遮断した場合、世界の供給チェーンに大きな衝撃を与えることになる。そうすると、国際エネルギー価格もさらに上昇する可能性がある。これは世界の経済にとって、あまり良いニュースではないだろう」

ブレント原油先物価格は7日、一気に1バレル140ドルまで値上がりし、2008年以来過去最高となりました。

市場は騒然とし、米投資情報株式会社スタンダード・アンド・プアーズ500種指数の先物価格が7日に1.34%急落し、ナスダック100種指数の先物価格も1.81%急落しました。

ロシアの石油生産量は世界第3位で、天然ガスは世界第2位です。エネルギー価格の高騰が、石油・電力不足という問題を誘発し始めました。フィナンシャル・タイムズは、ロシア情勢の悪化は世界の「食糧インフレ」を後押ししており、小麦価格は14年ぶりに50%以上も高値となり、トウモロコシの価格は1か月の間に17%上昇したと報じました。

台新投資顧問世界戦略研究部 江浩農副社長
「米国は現在いくつかの選択肢を持っているが、もともとは二酸化炭素削減措置を開始することを望んでいた。もともと、シェールオイル(採掘)補助を打ち切るほか、いくつかの禁止令を追加することも考えていた。恐らく関連の(シェールオイル)禁止令が取り消されるだけでなく、この業界への投資を増やすために、ある程度の補助金を再給付する可能性もある。今回の衝撃をいくらかでも減らすことができるだろう」

米国最大のシェールオイル企業のパイオニアは、米国が大量に増産したとしても、世界的な石油不足を埋めることはできず、この制裁の発動を決定したら原油価格は1バレル150〜200ドルに高騰するだろうと警告しています。

バイデン大統領は8日、ロシア産の原油や天然ガス、エネルギーの輸入を全面禁止すると発表しました。英国も米国の措置に歩調を合わせ、ロシア産原油の輸入を段階的に禁止すると発表しました。

 
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