カナダの議員 臓器狩り対策法案を推進

カナダの議員たちは、国民が中国の違法な臓器移植を受けることを可能にする抜け穴を塞ごうとしています。中国の臓器狩り問題について、英国の民衆法廷は2019年に、中共は良心の囚人から、彼らの意思に反して臓器を摘出していると発表しています。

カナダの国会議員たちは、強制臓器摘出を阻止するための新法案を推し進めています。

カナダ国会議員 リチャード・ブラグドン氏
「この法案は、カナダ人が海外に行き、ドナーの同意なしに摘出された臓器による移植手術を受けることを刑事犯罪とみなすものだ」

移植ツーリズムをめぐる論争が、この法案の背景になっています。

移植ツーリズムとは、患者が臓器を得るために外国に渡航することです。多くの場合、自国で適合する臓器を見つけるのに、待機時間が長すぎるためです。例えば米国では、肝臓は約11か月、腎臓は3年以上かかります。

現在、10万人を超える米国人が臓器移植のために待機していますが、多くの人が順番を待っている間に亡くなっています。

しかし、中国では待ち時間が年単位ではなく、数日、数週間単位となっています。

2020年、武漢の病院では、ある女性患者のために、わずか10日間で適合する心臓を4つも見つけることができました。

さらに、72時間、あるいは24時間以内に臓器が提供されることもあります。これは中共官製メディアの報道によるものです。

また、中国の病院は再移植を保証するケースもあります。つまり、臓器の質が悪い場合、手術はキャンセルされ、病院側は1週間以内に再手術を手配するのです。

この極めて短い待機時間により、中国は移植ツーリズムの渡航先として最有力候補となっています。しかし、多くの人が「臓器はどこから来るのか」という重要な疑問を抱いています。

人権活動家は、中国の移植に用いられる臓器の主な供給源は、強制的な臓器摘出によるものだと主張しています。中共は良心の囚人から強制的に臓器を摘出し、時にはまだ生きている間に摘出することもあると指摘します。

2019年、ロンドンの民衆法廷は、強制臓器摘出の疑惑に対する裁決を下しました。この法廷には、著名な医学者や法律の専門家が名を連ねています。

英国「中国民衆法廷」の議長 ジェフリー・ナイス卿
「臓器の強制摘出は、国によって組織的に、または認可した組織と個人によって、相当な規模で行われたことは疑いようがない」

これらの専門家は、中国の主な臓器の供給源は法輪功学習者と少数民族のウイグル人であると指摘しています。

この疑惑が明るみに出て以降、中国(共)の強制臓器摘出に対して、いくつかの国が対応を見せました。イスラエルは、違法に入手した臓器に対する保険の払い戻しを阻止する法律を成立させました。ベルギーも同様に、移植ツーリズムを罰する法律を成立させました。しかしカナダでは、臓器売買を取り締まる法律がないため、カナダの議員らがこの法案の成立を推進しています。

カナダ国会議員 ライラ・グッドリッジ氏
「私もこの場を借りて、故デービッド・キルガー議員の素晴らしい功績を称えたいと思う」

議員らは、この法案がデービッド・キルガー氏に敬意を表するものであることにも言及しました。キルガー氏は元閣僚であり、この問題を最初に表面化させた人物の一人でした。

2006年、強制臓器摘出の問題が浮上しても、ほとんどメディアで報道されなかった頃、デービッド・キルガー氏は、国際人権派弁護士のデービッド・マタス氏とともにこの問題を調査しはじめました。後に2人は、調査報告書を発表しています。

国際人権弁護士 デービッド・マタス氏
「我々は、あらゆる調査の痕跡を追い求めた。報告書には、我々が検討し評価した18の異なる証拠と反証の手段が記されている。すべてを考慮した上で、この申し立ては真実であり、この強制臓器摘出は実際に起きているものと考えられるという最終結論に至った」

二人は、2010年のノーベル平和賞の候補者にノミネートされました。キルガー氏は4月5日、珍しい肺の病気で亡くなりました。81歳でした。

カナダ国会議員 パット・ケリー氏
「キルガー氏が法案の成立を見届けられなかったことが、残念でならない。しかし、私はこの法案が通過すると強く信じている」

キルガー氏は調査報告書を発表した後も、これについて問題認識を持ち続けました。

元カナダ国務大臣アジア太平洋担当 デービッド・キルガー氏
「デービッド・マタス氏と私は、これまで約50か国を訪れ、この問題について話してきた。 私たちは、すべての善意ある人々がそうであるように、強制臓器摘出がなくなるまで、このことについて話し続けるつもりだ」

世界200か国の内、​​現在、国家による支援の下、産業レベルでこれを行っている国は、中国だけだ。

さらに、キルガー氏は「中国臓器狩り」という本をデービッド・マタス氏と共同執筆しました。

カナダ国会議員 トム・クミック氏
「海外におけるこの犯罪調査の門戸を開き、このことを可能にしたのはキルガー氏に他ならない」

カナダ国会議員 ガーネット・ジーニアス氏
「デービッド・キルガー氏はこの問題を私だけでなく、多くの人に知らしめてくれた。彼はこの問題に関する最初の報告書を、デービッド・マタス氏と一緒に書き上げ、この問題だけでなく、他の多くの人権問題についても、たゆまぬ努力を続けてきた」

この法案は、昨年カナダ上院を通過し、現在はカナダ下院に提出されています。

〈字幕版〉

 
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