中国経済が低迷する中、自動車ディーラーの閉店ラッシュが続いています。最近では、天津市や盤錦市などの地域で、アウディ、紅旗、ビュイック、トヨタなどの高級車ブランドのディーラーが相次いで撤退し、世間の注目を集めています。
最近、天津最大のアウディ・ディーラー「永濠奥達」が経営破綻し、被害者は少なくとも1500人、関係する金額は1億元を超えています。また、ネット上の動画では、天津中北鎮の紅旗のディーラーも閉店し、多くの人々が店の外に集まり抗議する様子が確認されています。
天津では、ビュイックのディーラー2店舗も突然閉店し、一夜にして人がいなくなり、建物も空となりました。「ダブル保証」商品を購入した車の所有者が、メンテナンスも修理も受けられなくなっています。特に天津空港のビュイックのディーラーでは、被害を受けた車の所有者が1千人以上にのぼります。また、盤錦のトヨタ・ディーラーでも同様に閉店し、オーナーが車の下取り補助金やメンテナンス費用を持ち逃げし、被害総額は数百万元に達しましたが、誰もこの問題に対処していない状況です。
遼寧省市民 李さん(仮名)
「アウディのディーラーやホンダのディーラーが次々に閉店し、北京最大のBMWのディーラーも閉店しました。次はメルセデス・ベンツのディーラーが閉店するでしょう。車を買うときは、絶対に前払いで予約しないようにしてください。一括払いができるならそうしたほうがいいです。ローンは避けるべきです。ディーラーは経営が赤字になると、閉店する前にお金を吸い上げます。例えば、車を予約するような特別の割引や、メンテナンスのための会員カードを割引価格で勧めてきます。そして突然閉店してしまうのです。もう誰も信じられません」
中国自動車流通協会が発表した「2024年上半期全国自動車ディーラーの生存状況調査報告」によると、販売目標を達成するため、自動車市場で大幅な価格調整が行われたことが明らかになりました。2024年上半期では、35.4%の自動車ディーラーが利益を上げる一方で、過半数のディーラーは赤字に直面している状況です。
ディーラーの販売スタッフによると、中国経済の低迷に伴い消費が縮小し、高価格帯の車種が売れなくなり、徐々に低価格の国産新エネルギー車に取って代わられているとのことです。
重慶のディーラー販売員 王さん
「メーカーが委託する販売代理店であるディーラーは、車の購入からアフターサービスまで一貫して提供しています。しかし、今では多くのディーラーが撤退しており、大手ブランドや長年の代理店ですら倒産しています。他のブランドも倒産の危機に直面している可能性があります」
ディーラー経営者の張立氏(仮名)は、車を購入する際には合格証を確認し、合格証を受け取った上で、代金と車両を同時に受け渡し、その日のうちにナンバープレートを登録することが重要だと述べています。これにより、ディーラーが撤退した場合に発生する金銭や車両の損失を防ぐことができるとしています。
河南省のディーラー経営者 張立氏
「合格証が店舗に保管されていない場合、それは銀行に担保として差し入れている可能性があります。この合格証の解放には通常3〜5日かかります。しかし、店側が引き延ばしている場合、資金不足に陥ると銀行が合格証を返却せず、10人、20人の顧客が影響を受けることになります。そして最終的に資金繰りが破綻し、店が倒産する事態になるのです」
近年、中国ではディーラーの閉鎖が相次いでいます。公式データによると、2020〜23年の4年間で、8千店舗のディーラーが閉鎖したことが明らかになっています。