米国家情報長官室(ODNI)は最近、中国共産党(中共)幹部の財産と腐敗に関する報告書を公表しました。報道によれば、中共はこの報告書の公表を阻止しようと試みたとされています。専門家の見解では、中共の腐敗は生まれつきの特権的な体制に根ざしており、現在ではその腐敗がこの体制を維持・延命させる原動力であり潤滑剤となっていると指摘されています。
米国家情報長官室が3月20日に発表した「中国共産党指導者の財産と腐敗活動に関する報告書」は、米政府がこの種の報告書を初めて正式に公表したものです。
米議会は2023年度の国防権限法案に基づき、情報機関にこうした報告書の提出を求めており、当初の提出期限は2023年12月とされていました。
報告書では、腐敗は現在の中国における一般的な特徴であると指摘されています。2012年に中共の指導者・習近平が反腐敗運動を開始し、その後の10年間でおよそ500万人の官僚が調査され、そのうち少なくとも470万人が有罪となりました。
時事評論員 唐靖遠氏
「実際の腐敗の割合は、これよりさらに高い可能性があります。中共の腐敗は、完全に制度化された腐敗へと変質しています。もはや『暗黙の了解』ではなくなっており、政権の90%以上の人間が腐敗に関与しているような状況では、それはすでに『明文化されたルール』になっていると言えるでしょう」
時事評論員の唐靖遠氏の分析によると、中共にとって腐敗は、もはや単なる経済的な汚職にとどまらず、中共体制全体を維持及び運営するための潤滑剤、さらには原動力となっているとされています。もしこの官僚体制が腐敗をやめた場合、体制そのものが崩壊してしまう可能性があると指摘しています。
唐靖遠氏
「このように、腐敗はすでに中共が権力を維持するための基本的な基準、あるいはその権力を機能させ続けるための根本的な原動力となってしまっています。これは世界中どの国を見ても極めて異例であり、人類の歴史全体においてもほとんど前例がないと言えるでしょう」
報告では、中共の官僚における腐敗の原因について、権力の過度な集中、法治が中共を中心に運用されていること、官僚の財産が公開されていないこと、そして公職者に対する独立した監視や透明性が欠如していることが挙げられています。
元北京の弁護士で民陣カナダ主席 頼建平氏
「市民が中共に対していかなる監視も行うことができない中で、党は完全に内部で、いわゆる『自己監督』に頼っています。しかし、自己監督というのは実質的には監督とは言えません。なぜなら、それは共産党の専制体制の中での内部抗争に過ぎず、腐敗摘発を政治的な操作の手段として利用しているだけだからです」
報告によると、2012年に一部メディアが、当時の習近平氏の家族が約10億ドルの資産を保有していると報じました。習氏が国家主席に就任した後、家族に対して投資の引き上げを促したとされていますが、業界の調査によれば、2024年時点でも習一族は依然として数百万ドル規模の商業利益や金融投資を保持しているとされています。
報告では、習近平氏が反腐敗運動を利用して、中共の正統性や支配権に対する挑戦を排除してきたと指摘しています。また、特定のケースでは、反腐敗運動を政敵に対する攻撃手段としても用いているとしています。
これについて、唐靖遠氏は、習近平氏が反腐敗を名目に実際は内部闘争を行い、政敵を排除しているに過ぎないと指摘しています。また、北京が本気で腐敗を根絶することは不可能であり、なぜなら腐敗そのものが中共の「遺伝子」の一部、つまり体質そのものだからだと述べています。
唐靖遠氏
「中共は、その遺伝子の中に腐敗を抱えている政党です。中共は誕生したその日から、いわゆる特権的な腐敗というかたちで出発しました。つまり、階級ごとに異なるレベルの特権を享受するというもので、これは本質的に腐敗にほかなりません。これこそが、中共に制度的な腐敗が根付いており、かつそれを根絶することができない最も根本的な原因です」
米ワシントン・タイムズが報じたところによると、中共の大使館関係者が、この報告書を否決するよう米議会に働きかけていたものの、最終的にはその試みは失敗に終わったとされています。
唐靖遠氏は、この報告書に記載されている内容は中共の腐敗のごく一部、いわば氷山の一角に過ぎず、実際にはさらに多くの重大な情報や衝撃的な事実には触れていないと指摘しています。それにもかかわらず、この報告書が発するメッセージは、中共にとって十分に脅威となるものであり、恐怖を感じさせるには十分だと述べています。
唐靖遠氏
「少なくとも、今回の報告書が示しているのは、米政府が中共の腐敗、そして中共高官による海外での不正蓄財の実態や巨額の資産などを、調査の対象として捉え始めているという点です。このシグナルは、中共にとって非常に恐ろしいものであり、大きな圧力となるでしょう。なぜなら、もし米政府が中共の特権階級の資産を本格的に調査対象とすることを決定した場合、将来的に米中間で激しい地政学的対立が起こった際、これらの情報は中共政権を攻撃するための強力な武器となるからです。そうなれば、中共の高官たちは非常に不利な立場に追い込まれることになります」
近年、中共の軍内部では大きな動揺が続いており、前国防部長の李尚福上将をはじめ、ロケット軍の複数の高級将校らが相次いで失脚しています。報告では、習近平がこの状況に強い懸念を抱いており、腐敗した軍隊では、2027年に予定されている台湾侵攻に必要な作戦能力を達成できないと危惧していると指摘しています。




