米国が対中「対等関税」措置を講じたことで、中国から米国への受注が大幅に減少する中、国際版TikTokの短編動画によるプロモーションの後押しもあり、中国発のECプラットフォームである敦煌網、淘宝、アリババ国際版が、米国のApp Storeのショッピングカテゴリで上位3位を占めています。
最近、TikTokには大量のプロモーション動画が投稿されており、米国の消費者に対して、中国のECプラットフォームから直接購入することで高額な関税を回避できると強調しています。現在、米国のショッピング系アプリランキングの上位3位のうち、アリババグループが2つを占めており、淘宝は数日連続で第2位を維持しています。さらに、知名度がほとんどなかった敦煌網は、一気に首位に浮上しました。
敦煌網の出店担当マネージャーである劉氏によると、敦煌網は他のプラットフォームに比べて参入のハードルが低く、小口の航空便による発送が主流で、価格設定も自由、さらに海外倉庫への在庫準備が不要といった利点があり、多くの出店希望者を引きつけていると説明しています。
敦煌網の出店担当マネージャー 劉さん
「敦煌網は200以上の国と地域を対象としており、最近は海外での人気も高まっています。出店のハードルは低く、費用もそれほどかからず、登録数も非常に多いです。欧米や中東地域からの注文が比較的多く、卸売・小売の両方に対応しています。現在はファッション関連の商品が特に好調です」
義烏の越境EC事業者である林晨さん(仮名)は、取材に対し「現在、越境ECプラットフォームは競争が過熱しており、大手企業でなければ生き残れない状況です」と明かしました。関税戦争が始まってからは注文が急激に減少し、Temuで展開していた数十店舗は閉鎖を余儀なくされたといいます。現在は、敦煌網やTikTokでの出店へと切り替えています。
越境EC事業者 林晨さん
「現在の米国市場にはもうあまり希望がありません。Temu、SHEIN、アマゾンも含め、注文数はどんどん減っていて、店舗は次々と閉鎖に追い込まれました。毎日のように罰金や在庫の滞留が発生し、値下げも重なって精神的にも非常にきつい状況です。寝不足が続き、在庫処分もままならない状態です。そんな中で、逆にチャンスをつかむ人も出てきていて、今は敦煌網が注目を集めています」
米在住の華人、何さんは「普段は華人経営のスーパーで買い物をしていますが、現在のところ価格が大きく高騰している様子もなく、買い占めのような状況も見られません」と話しています。一方で、中国のECプラットフォームでは価格がかなり上がっており、割高に感じるため、購入する気にはなれないといいます。
米在住の華人 何さん
「米国と正面から対立すれば、中国の一般市民への影響は非常に大きくなる一方で、米国の一般市民への影響はそれほど大きくありません。華人系のスーパーで扱っている中国からの輸入商品は、現在ほとんどが1割程度値上がりしています」
取材によると、TikTokは越境EC事業の拡大を積極的に進めており、イギリスや東南アジアでの出店サービスを開始した後、昨年末からは米国やヨーロッパの4か国でも順次サービスを展開するといいます。そして今後は、日本や韓国でもサービスの開始が予定されています。しかし、一部の事業者からは「利益を得ているのはプラットフォーム側ばかりです」との声も上がっています。
越境EC事業者 江東さん
「現在は生産が需要を上回っており、製品を作っても売れ残るケースが多く、在庫が滞留しています。だからこそ『海外進出、越境EC』と盛んに言われています。確かに米国市場は開放されましたが、東南アジア市場はすでに2〜3年前から展開されていても、ここまで注目されることはありませんでした。結局のところ、大きく稼げるかといえば、そう簡単にはいかないのです」




