米国との関税戦争の中で、中国共産党は強硬な姿勢を示し続け、米国と関連する貿易交渉は行っていないと繰り返し主張してきました。ところが最近、中共の代表団が米財務省のビルに入るところが目撃されました。評論では、中共が面子を失うことを恐れ、言葉遊びをしていると指摘されており、同時にこれは北京における政局の混乱を反映しているとも見られています。
トランプ米大統領は先日、米中が関税協議を目指して交渉中であり、習近平がすでに電話をかけてきたと明かしました。トランプ氏は、これを習氏の「弱腰の表れ」だとは考えていないとも語りました。
韓国メディア「中央日報」が独自に報じたところによると、米中双方の官僚が4月24日朝、ワシントンで非公開の会合を行いました。メディアは、中共の高官および側近が米財務省のビルに入る様子を撮影しました。
記者が中共の高官が現場に入る様子を撮影しようとしたところ、中共側の関係者に強引に阻止され、写真を削除するよう強要されたといいます。
北京当局はこの件について口を閉ざしており、米中が関税問題について協議や交渉を行っている事実はないと強く主張しています。
台湾国防部系のシンクタンク「国防安全研究院」の研究員 沈明室氏
「(もし)習近平が実際にトランプ氏と電話をしたのであれば、それは習近平個人の権威にとって、また米国との関税戦争における中国本土全体の士気や持続力にも、大きな影響を及ぼすでしょう」
大紀元のコラムニスト 王赫氏
「関税戦争について、中共は本来戦いたくないはずです。なぜなら、中共にとって損失が非常に甚大だからです。このため、表向きは非常に強硬な態度を取っていますが、実際にはこの戦いは非常に苛烈です。したがって、裏ではトランプ政権と接触している可能性があります。しかし中共は面子を守るために、言葉では強気を装い、弱みを見せず、米国との交渉を否定しているのです」
大紀元のコラムニスト・王赫氏は、次のように分析しています。中共は、従来よく「人を派遣して接触させるが、その人物に明確な公式の立場を賦与しない」という手法を使ってきました。今回も、中共が実際に米国側と接触するために人を送っている可能性は高いですが、あくまで非公式な立場のため、「交渉はしていない」と言葉巧みに否定しているのだと見られます。
王赫氏は、現況は全体的にどこか奇妙だと指摘しています。以前から、習近平が権力を失いつつあるという情報が絶えず流れています。もし本当に習近平がトランプ氏と電話会談を行ったのだとすれば、それは内部の会議で決定された可能性が高いと考えられます。ただし、もう一つ考えられるのは、中共内部の政治が混乱しており、習近平が独断でトランプ氏と通話し、それが対立派閥の賛同を得ていなかったため、今回の失態につながったというものです。
王赫氏
「米国は民主社会なので、大統領がこうした問題に直面すれば、自ら記者たちの前に立って直接発言します。しかし中共の場合、習近平本人がこうした場に出てくることはありません。代わりに、外交部などの関連機関が対応しますが、彼らはみな、非常に強硬な態度を取り、口も極めて堅いのです」
中国メディア『財経』は4月25日、米国から輸入される少なくとも8種類の半導体部品に対する関税がゼロに引き下げられたと報じましたが、その記事は後に削除されました。アナリストによると、北京が米国製品に対して報復関税を強調してきた一方で、中共側が依存している一部の製品については密かに関税を引き下げたのは、「妥協」と受け取られるのを避けるためだと見られています。
沈明室氏
「中共はいま、対外貿易が振るわず、産業転換を図ろうにも力及ばず、さらに他国からの支援も得られない状況にあります。加えて、トランプ政権の強硬な圧力の下で、多くの国々が今、中国(中共)と同じ立場に立とうとはしないでしょう」
4月25日、中共の政治局は会議を開き、急きょ「社会の安定を守る」こと、そして「雇用の安定、企業の安定、市場の安定、期待の安定」を訴えました。また会議では、「国内の経済運営と国際経済・貿易闘争を統合的に進める」といった方針も打ち出されました。
王赫氏
「ある意味では、これは“事態のごまかし”でもあります。中共内部の政局が今後どう展開するか、これが最大の問題です。現在、内部情勢がまだ定まっていないため、米国に対する政策を根本的に変更することはできないのです。中共は、現状をできるだけ維持しながら、事態を乗り切ろうとしています。そして内部の権力闘争に決着がついた後、初めて米国に対する大きな政策転換が起こる可能性があります」
同じ日、トランプ氏は明確に、北京が中国市場の開放など、私たちに実質的な譲歩をしない限り、対中関税を撤廃することはないと表明しています。




