トランプ氏は就任から100日間で、内政・外交のさまざまな分野において大胆な改革を進め、過去最多となる137本の大統領令に署名しました。これは選挙公約の実現に向けた取り組みの一環であり、その多くが外部からも一定の評価を受けています。今回は、その中で実現された政策と、今後の課題として残っている項目を簡単に振り返ります。
トランプ氏は就任後最初の100日間で、137本の大統領令と5本の法案に署名しました。これは過去70年の新任大統領の中で、法案の署名数としては最も少ない記録となりましたが、大統領令の数としては歴代最多となります。なお、バイデン前大統領は4年間でこの種の文書に162本署名しています。
トランプ氏が署名した137本の大統領令は、米国社会のあらゆる分野に影響を及ぼしました。大統領令は、議会の投票を経ることなく、大統領の政策を迅速に実行に移すための最も効率的な手段の一つとされています。
1月20日の就任初日、トランプ氏は早くも26本の大統領令に署名しました。主な内容には、世界保健機関(WHO)からの脱退、2020年の連邦議会議事堂襲撃事件の関係者への恩赦、不法移民への厳格な対処、連邦政府によるDEI(多様性・公平性・包括性)関連プログラムの廃止などが含まれています。その後も、政府の効率化や教育改革などを積極的に推し進めました。
トランプ氏は昨年11月の大統領選挙前に、3つの主要な選挙公約を繰り返し掲げていましたが、そのうち2つはすでにおおむね実現されています。
まず、不法移民への厳格な対策については、トランプ氏による国境管理の取り組みが大きな成果を上げていることが、各種データから明らかになっています。米国当局の統計によれば、メキシコから米国へ不法に入国した不法移民の数は、2024年12月の4万7324人から、今年2月には8346人に大幅に減少し、3月にはさらに7181人まで減少しました。
国境管理の強化に加え、移民・関税執行局(ICE)は全米各地で大規模な逮捕および強制送還の措置を進めています。また、トランプ氏は就任後、不公平な貿易慣行を是正するために関税政策を実施すると公約しており、この約束も着実に履行されつつあります。
このほかにも、トランプ氏は物価の引き下げという公約についても実現しつつあります。1月の就任時点でインフレ率は3.0%でしたが、3月には2.4%にまで低下しました。
エネルギー費用の引き下げについても成果が見られ、3月にはエネルギー価格が大きく下落しました。中でもガソリン価格は、2月と比べて6.3%の下落、前年同月比では9.8%の下落となっています。
さらに、トランプ氏は連邦政府の支出削減や教育改革、大規模な石油・天然ガスの採掘推進、エネルギー政策の見直し、DEIプログラムの廃止、実績に基づく「能力主義による雇用機会」の復活、そしてトランスジェンダー選手の女子競技への出場を禁止する措置など、多くの公約をすでに実行に移しています。
減税に関する公約については、現時点ではまだ実現には至っていませんが、トランプ氏は自身の減税政策への支持を得るため、共和党内での働きかけを続けています。また、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・ハマス間の衝突といった国際的な紛争についても、依然として解決には至っていません。
トランプ氏は就任から100日間で数々の障害を乗り越えながら、経済・政治の新たな政策を強力に推進してきました。その影響により、世界の秩序や勢力図にも変化が生じつつあります。
米セントトーマス大学、国際研究講座教授 葉耀元氏
「全体的に見て、トランプ氏は就任後、選挙前に掲げていた方針とおおむね一致した行動を取っています。不法移民への対応や国境管理の強化、さらに相互関税政策や、対米貿易赤字の是正に向けた取り組みなど、この100日間で目に見える成果が現れていると言えるでしょう」
時事評論家 唐靖遠氏
「少なくとも現時点では、トランプ氏が非常に大きな挑戦に直面していることは明らかです。戦争を止めるという目標については、まだ成功を収めていません。その背景には客観的な要因もあります。ウクライナとロシアの戦争はすでに3年目に入り、非常に複雑な地政学的要素が絡み合う多面的な衝突へと発展しています。これは、トランプ氏が想定するような、数週間あるいは24時間以内で解決できるような単純な問題ではないのです」
専門家の分析によると、トランプ氏の政策は外部からの予測が難しく、そのため国内外の市場に大きな不確実性をもたらしていると指摘されています。
トランプ政権の発足から100日を迎えるにあたり、ホワイトハウスの関係者は、今後の100日間で「魚雷のような」さらなる大胆な行動を展開していくと予告しました。今後は特に、貿易協定や和平交渉に重点を置き、さらに多くの大統領令を発出していく方針です。
大紀元のコラムニスト 王赫氏
「トランプ氏の政策は、次に何をするのか予測するのが非常に難しいです。しかし、その予測不能性こそが、トランプ氏の政治手腕の一つだと言えるでしょう」




