北京の高圧管理で運転手が発言禁止 河北で反共標語が出現

中国共産党(中共)が9月3日の軍事パレードを間近に控える中、北京など各地で警備が強化され、高圧的な管理体制が強化されています。北京の複数のタクシー運転手によると、所属するタクシー会社から「封口令(発言禁止令)」が通達され、運転手と乗客が政治的な話題、特に国家指導者や国際情勢に関する話題を話すことが厳重に禁止されており、「国家指導者を称賛する話題ですら許されない」といいます。

天津など他の都市のタクシー運転手も、同様の規定が広く実施されていると話しています。取材を受けた運転手によると、会社側は運転手に対し、乗客と話す内容はルートや渋滞、天気といった目的地関連の情報に限るよう明確に指示しており、それ以外は「むやみに話してはいけない」としています。また「不審な乗客は報告するように」求めているといいます。

20年以上の運転経験を持つ北京のタクシー運転手・李さん(仮名)は、10年以上前までは乗客と運転手が気軽に会話し、冗談を言い、国の重要な問題について話すことができたと語ります。しかし約10年前から、会社が車内に監視機器を設置し始めたといいます。李さんによれば「タクシーの中にはカメラがあり、隠しマイクもあります。怪しい人物を見つけたらすぐに通報ボタンを押しますが、そのボタンがどこにあるかは乗客は知りません。会社は通報があるとカメラで乗客を観察し、実際のスパイを捕まえた場合は報奨があると注意を促しています」と述べました。

北京から済南に戻ったばかりの元公務員・沈志(仮名)さんは「胡錦濤の時代は北京のタクシー運転手は皆『しゃべり屋』でしたが、習近平の時代になると運転手は全くしゃべらなくなりました」と話しています。

また、北京に出張で訪れた成都の弁護士・劉さんは、運転手が北京の観光スポットを紹介したり、国際情勢について話したりせず、乗車から下車までルートの説明を除き、一言も発しなかったと述べています。

現在、北京は9月3日の軍事パレード前夜の厳戒態勢下にあります。北京市の複数の地区では臨時に人員を募集し、歩道橋や電柱、重点道路の見張りを行い、「反動的な標語」の出現を防いでいます。市内の交差点でも警備が強化され、一部のバス路線は安全確保のため一時的に経路が変更されています。インターネットの検閲も明らかに強化されています。

しかし、このような高圧的な状況下でも民間の不満は消えず、水面下で動き続けています。『自由時報』の報道によると、イタリア在住の華僑作家・李穎氏が8月12日に写真を投稿し、同日河北省廊坊市の路上の電柱に「中共≠中国」と書かれた標語が現れたと伝えました。小さな字で「中共はマルクス・レーニンの子孫、中国は炎黄の子孫」と記されていたといいます。

この写真が海外のSNSで公開されるとすぐに話題となり、ネットユーザーは「変化が起こり始めています」「勇気をもって書いて貼ることが重要で、すごい情報量です」「頻度がどんどん高まっていて、毎日誰かが立ち上がっています」「これこそ中国人の常識になるべきであり、マルクス・レーニンの邪党を合法政権と認めるのは間違いです」「もし全ての中国人が中共と中国は別だと分かれば、市民は完全に自由になれます」「本当に生きるのがつらくなってきて、一部の人が目覚め始めました」と次々に感想を述べています。

中共の越境弾圧が注目集める 米国人権報告で初めて詳細記録

米国務省は8月12日、2024年中国人権報告を発表しました。これはトランプ政権就任後初となる中国に関する特別報告書(全42ページ)で、中共による国内外での深刻な人権侵害行為が詳細に記録されています。新疆地域のウイグル人や他のムスリム少数民族、法輪功への迫害と中傷も含まれています。

今回の報告がこれまでと異なるのは、中共およびその代理人による海外の個人に対する越境弾圧行為を個別に記録した点です。世界中にいる海外の反体制派の安全に関心が集まっています。

報告は「フリーダムハウス(Freedom House)」の調査を引用し、2014年から2022年の間に中共が約250件の直接的な越境弾圧を実施したと記載しています。これらは脅迫・恐喝・代理人による脅迫・技術的スパイ行為・強制失踪などを含み、計画的かつ巧妙です。

また、2024年の人権NGO「セーフガードディフェンダーズ」の報告書によれば、中共の「フォックスハント(獵狐)」と「スカイネット(天網)」作戦により56カ国から283人が強制連行され、その手法は海外の対象者の中国在住家族への脅迫、監視、恐喝、時には海外での直接的な誘拐にまで及んでいます。

例えば2024年5月、オーストラリア放送協会の番組「フォー・コーナーズ」では、元中共公安部の潜入スパイがオーストラリアや日本などで反体制派を追跡し、カンボジアやラオスへ誘導して中国に拉致・送還したと暴露しています。

さらに2024年6月には、フランス人記者と映画プロデューサーがフランスの公共放送で中共の海外警察による反体制派・凌華湛氏の強制送還を扱ったドキュメンタリーを放送後、中国から脅迫や嫌がらせの電話やSMSを受けました。中共の領事館職員は凌華湛氏の中国在住家族を使い、偽動画の録音を求め、ドキュメンタリーが捏造であると認めるよう要求したといいます。

サイバー攻撃も注目されています。2024年2月、中国のサイバーセキュリティ会社「i-SOON(安洵)」の流出資料によると、中共は海外のチベット亡命政府、ウイグル団体および14カ国の政府を標的に攻撃しているといいます。FBIは「大紀元時報」もi-SOONの主要ターゲットの一つであると確認しました。

報告書はまた、中共が「中国人学生学者連合会(CSSA)」を通じ、民主主義的な見解を持つ海外学生の監視や脅迫、いじめを行っていることにも触れています。さらに中共の新しい反スパイ法は、海外留学生を含む中国国民に情報活動への協力を義務づけています。

総合的に、米国務省はこの報告書で、2024年の中国の人権状況には改善が見られず、むしろ国家機構による社会管理がますます強まっていると結論づけています。

 
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