EU 貿易措置を検討 中共によるレアアース輸出制限に対抗へ

ドイツ紙「ハンデルスブラット」は10月22日に掲載した独占インタビューで、欧州連合の最高経済官が、欧州委員会が中共によるレアアース輸出制限に対抗するための措置を検討していることを明らかにしました。

EU経済担当執行副委員長のヴァルディス・ドンブロフスキス氏は「ハンデルスブラット」に対し、中共によるレアアース制限の状況が改善されない場合、EUは対抗措置を評価・検討する方針を示しました。現時点では具体的な手段は決まっておらず、議論が続いている段階です。

前日の21日には、EUのマロシュ・シェフチョヴィチ貿易委員と中共の王文濤商務部長がオンライン会議を行いましたが、合意には達しませんでした。

EU シェフチョヴィチ貿易委員
「我々は事態をエスカレートさせるつもりはありません。しかし、この状況は双方の関係に影を落としており、早急に問題を解決する必要があります」

中共は当初、レアアース輸出の緩和を約束していましたが、10月初旬に突如として今までで最も厳しい輸出管理令を発表しました。中国で生産されたレアアースが製品に微量でも含まれている場合、輸出業者は輸出許可証を申請する必要があるとしています。現在、欧州が輸入するレアアース原料の98%を中国が供給しており、サプライチェーンは深刻な混乱に直面しています。

台湾国防安全研究院の研究員 沈明室氏は、EUが取り得る措置として二つの方向性があると指摘しています。

台湾国防安全研究院の研究員 沈明室氏
「第一に、ヨーロッパ製品の対中輸出を制限、または停止する方法です。もう一つは、中国以外の国や地域からレアアースを調達することです。アメリカは現在オーストラリアと提携して現地でのレアアース採掘を進めていますが、ヨーロッパも同様に新たな供給源を探す可能性があります。ただし、精製能力や生産量がどの程度の速さで中国産レアアースを代替できるかが課題で、少なくとも5年は必要でしょう」

欧州外交関係評議会の報告によると、EUが検討する貿易措置には、航空機部品、旧型EUV装置、高精度ベアリングなどの特殊鋼製品が含まれる可能性があります。

ブルームバーグは22日、事情に詳しい関係者の話として、EUが今月末までに対中貿易措置のリストをまとめる計画だと報じました。これらの措置は中共への対抗措置として、またEUの交渉力強化に活用される見通しです。欧州委員会はさらに、重要資源の供給を保護し、他の供給源を確保するための短期的な計画も策定していると伝えられています。

EUは国際的なパートナー国とも協調を強めており、先週開催されたG7財務相会議では、中共によるレアアース輸出規制に一致団結して対抗し、中国に依存しない供給網の確立を目指すことで合意しました。

沈明室氏
「ヨーロッパ各国は米中貿易摩擦の影響から逃れられず、直接的な被害を受けています。そのため、ヨーロッパが単独で中国と交渉するのは容易ではありません。米国とEUのレアアース政策は連動しているため、EU単独で経済・貿易および外交政策によって制裁問題を解決することはできません。したがって、G7諸国やヨーロッパは必然的に米国と歩調を合わせることになるでしょう」

台湾の元国大代表で「インド太平洋戦略シンクタンク」上級戦略顧問 黄澎孝氏
「レアアースの埋蔵や生産は中国だけが永続的に独占できるものではありません。時間の経過とともに、西側諸国は供給網の安全確保を重視し、レアアース採掘を加速させるでしょう。その結果、中国の『レアアース・カード』の影響力は徐々に弱まると見られます。いずれにしても、これは米欧諸国にとって大きな警鐘です。中国は正常な近代国家ではなく、あらゆるものを政治的な武器として利用できます」

黄澎孝氏はまた、中共にはもはや有効なカードがほとんど残されていないが、それでもなお強硬姿勢を続けていると指摘しました。

黄澎孝氏
「彼らに残された最後の手段は『国民に草を食べさせる』ことです。中共自身が『中国人は草を食べても生きられる』と繰り返し主張しています。中国では国民が経済問題で政府に妥協を迫ることはできません。この点が西側諸国との大きな違いです。西側では経済が最も重視されます。したがって、中国が西側と貿易戦争を行うなら、国民にさらなる犠牲を強いる覚悟が必要です」

ヨーロッパにもレアアース資源は存在します。昨年、ノルウェーのレアアース企業RENは、欧州最大となるレアアース鉱床を発見したと発表しました。埋蔵量は878万トンに達し、REN社は2030年に採掘を開始し、EUのレアアース需要の約10%を賄う計画です。さらに、フランスは日本と協力して欧州初のレアアースリサイクル・精製工場を建設中で、2026年末の稼働を目指しています。これにより、中国依存の軽減が期待されています。

 
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