トランプ米大統領のアジア歴訪は10月25日に始まり、30日に韓国で行われたトランプ・習近平会談をもって終了しました。専門家は、この会談で台湾問題に言及しなかったのは、トランプ氏がすでに台湾に関して「譲れない一線」を明確に引いているためだと分析しています。
会談を終えた後、トランプ氏は「米中交渉の諸項目について合意に達した」と表明しました。トランプ氏は今回のアジア歴訪の中、「台湾を尊重する」「台湾は台湾だ」と発言しつつ、トランプ・習近平会談では台湾問題への言及を避けました。専門家らは、トランプ氏が台湾問題への対応方針をすでに固めたとみています。
台湾国防安全研究院・国防戦略与資源研究所 蘇紫雲所長
「台湾にとって重要なのは、トランプ大統領が明確に一線を引いたことです。これは譲歩できない境界線であり、中共がこれを越えることはできません。インド太平洋地域の平和と安定にとって、非常に大きな意味を持っています」
トランプ氏の今回のアジア歴訪には、5つの主要省庁のトップとホワイトハウスの側近らが同行しました。日本で大規模な交流が行われました。
10月28日、トランプ氏は高市早苗首相と初の首脳会談を行いました。この歴史的な会談は、地域の安全保障環境に明確なメッセージを発したと受け止められています。
高市氏は日本の防衛力を強化する旨をトランプ氏に伝えました。
トランプ大統領
「我が国を代表して申し上げたい。あなたがどんな時でも、どんな懸念や課題、支援が必要な場面でも、私にできることがあれば、常に日本を支えます。なぜなら、我々は最も強固な同盟国だからです」
蘇紫雲所長
「トランプ大統領が明確に中共封じ込めの戦略を進めています。今回のアジア歴訪では、トランプ氏はまずASEANを訪れ、いくつかの合意を得ました。その後、高市首相を大統領専用ヘリ『マリーンワン』に同乗させ、在日米軍の空母『ジョージ・ワシントン』を視察しました。非常に珍しい動きです。トランプ氏が日本、そして韓国を含むアジア各国との同盟関係をどれほど重視しているかが分かります」
インド太平洋戦略シンクタンクの矢板明夫執行長は、「日米関係がよりさらに深化し、インド太平洋地域全体に新たな展望が開けた」との見方を示しています。
インド太平洋戦略シンクタンク 矢板明夫執行長
「大統領は安倍元首相の路線を支持しています。彼は再び安倍氏の名を挙げました。安倍氏は『反中・台湾支援』の立場で、中国に対して強硬な姿勢を取っていました。トランプ氏はその安倍路線を支持しているのです」
これに対し、中共外交部の報道官・郭嘉昆は、「中国は日本側に対し、周辺国の安全保障上の懸念を真摯に尊重するよう求める」と発言しました。
矢板明夫執行長
「まったく意味がない発言です。同じことを何十年も繰り返しています。地域の平和を破壊しているのは中国です」
日米首脳会談後、高市氏は「台湾海峡の平和と安定の重要性を、トランプ米大統領と改めて確認した」と述べました。一方、トランプ氏は在日米軍基地内での演説で「日米同盟は太平洋の安全保障の礎である」と強調しました。
また、高市氏は10月26日、ASEANでの二国間首脳会談でも台湾海峡の平和の重要性に言及し、「武力や威圧によって一方的に現状を変えようとするいかなる行動にも反対する」と訴えていました。
蘇紫雲所長
「高市首相の発言は感情的なものではありません。台湾は地政学的に非常に重要な位置にあります。日本のエネルギー輸入の92%が台湾海峡を通過し、ヨーロッパへの輸出品もすべて台湾海峡を経由しています。そのため、この地域は地政学的にも安全保障上の要となっています」
トランプ氏は日本訪問の日程を終え、韓国に移動して李在明大統領との首脳会談に臨み、複数の重要課題について意見を交わしました。
蘇紫雲所長
「日米韓同盟が再び結束しました。しかも三カ国すべてが新政権下にあります。これはトランプ政権の一期目の日米韓協力体制が復活したことを意味します。中共にとっては非常に不利な状況です。さらに東南アジアでは米・フィリピン・オーストラリアによる戦略的枠組みが形成されており、中共が太平洋への突破を試みる動きを抑制する効果があります」
また、10月29日にはピート・ヘグセス国防長官と小泉進次郎防衛相が東京で初めて対面会談を行いました。ヘグセス氏は、「日米同盟は中共の軍事侵略を抑止する上で極めて重要だ」と述べ、小泉氏も「日本は防衛費増額目標の達成を加速させる」と表明しました。
ヘグセス米国防長官
「きょう防衛大臣と議論したとおり、日本周辺および地域全体の安全保障環境は依然として非常に厳しい状況にあります。我々が直面している脅威は現実的かつ深刻です。中共による前例のない軍事拡張と、その攻撃的な行動はもはや説明するまでもありません。日米同盟は中共の軍事侵略を抑止し、地域の突発的な事態に対応し、我が国の安全を守る上で欠かせない存在です」
日本 小泉進次郎防衛大臣
「我が国周辺においてミサイル戦力が著しく増強されている状況を踏まえ、ミサイル防衛能力を不断に強化していくことも重要だと考えています。その上で申し上げれば、中国は国防費を継続的に高い水準で増加させ、十分な透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急激に増強させています」




