米軍 中国貨物船を拿捕 軍民両用物資を押収・破棄

米国の特殊作戦部隊が先月、インド洋上で中国からイランへ向かっていた貨物船を拿捕し、船上の軍民両用物資を押収・破棄していたことが分かりました。

米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は12月12日、米政府高官および関係者の話として、特殊作戦部隊が先月、インド洋上で中国籍の貨物船に乗り込み、中国からイランへ輸送されていた軍事関連の物資を押収したと報じました。

米政府当局者は、押収された貨物にはイランの通常兵器に使用可能な部品が含まれており、軍民両用とされるこれらの部品はすでに廃棄されたと表明しています。

情報筋によると、米軍の作戦要員はこの武器輸送を追跡し続け、スリランカ沿岸付近で当該船舶を拿捕・押収した後、航行の継続を認めたといいます。今回の作戦は、国連が9月下旬にイランへの武器取引に対する制裁を再び発動した時期と重なっており、中国船がイランへの武器輸送を疑われて米軍に阻止されたのは、ここ数年で初めてとされます。これは、トランプ政権が敵対勢力に対して強硬な手段を辞さない姿勢を示したものといえます。

台湾国防安全研究院の研究員 沈明室氏
「ここ数年で、米国が軍隊をを直接用いて、中国の軍民両用物資がイランへ運ばれるのを阻止した事例として、これほど明確なものは初めてです。この対応は、米国がベネズエラ沖で貨物船を阻止したり、麻薬密輸船を阻止したりしてきた方法とよく似ています。こうしたやり方を、米国が大西洋からインド洋へと広げたことを示しています」

沈明室氏は、今回の拿捕作戦が、米国の遠距離における戦力投射能力、特殊部隊の運用、そして情報収集能力のいずれもが高精度で優れていることを示していると指摘します。つまり、麻薬など地域の安全を脅かす物資、輸出管理に違反する貨物であれば、米国は軍事力を用いて迎撃し、さらには廃棄する能力と実力を有しています。

さらに沈氏は、イランが中国から輸入するミサイル製造用物資を輸送途中で阻止できる点について、従来のように最終寄港地で迎え撃つよりも効率的であり、抑止や威嚇の効果も高いとの見方を示した。

今年6月には、イスラエルと米国が12日間にわたる衝突の中で、イランの核施設やミサイル関連施設に大きな打撃を与えました。イラン側の関係者も、イスラエルとの再衝突を警戒して弾道ミサイルなどの戦力再建を急いでいます。

一方、CNNが10月29日に報じたところによると、国連制裁を受けているにもかかわらず、イランは中国から複数回にわたり貨物を受け取っており、その中には弾道ミサイルの製造に不可欠な材料である過塩素酸ナトリウム2千トン以上が含まれていたといいます。

台湾国防戦略与資源研究所の蘇紫雲所長は、イランが保有するミサイルの数が制限されれば、イスラエルへの攻撃能力は低下し、イエメンのフーシ派など他の武装勢力への支援も減少する。それは中東南部の安全安定につながると指摘しています。その上で、中国共産党(中共)は公然、あるいは水面下で対イラン制裁に違反しており、地域の平和を破壊する存在だと批判しています。

台湾国防戦略与資源研究所の所長 蘇紫雲氏
「トランプ米大統領がイランの核施設を攻撃し、その後イランとイスラエルがミサイル攻撃を応酬したことで、イランのミサイル部隊の戦力は大幅に縮小しました。その補填役として、中共が主要なサプライヤーとなっていることは、同党が『トラブルメーカー』であることを浮き彫りにしています」

沈明室氏
「この動きは、中国が表向きに主張している立場と、実際の行動が一致していないことを世界各国に示しています。中国がロシアに物資を輸送してウクライナ戦争を支援していることや、化学物質をイランに提供し、イランのミサイル開発やミサイル数の増加を助けていることは、いずれも同じ文脈にあります。イランのミサイル保有数は現在、およそ1千発未満とみられています」

沈明室氏はさらに、もし中共が今後短期間でイランに2千〜3千基のミサイル増産を支援すれば、イランは中東で他国や米軍を攻撃する能力を強化することになり、それは中東の安全保障上マイナスとなると指摘しています。

実際、2014年1月には、中東地域での米軍作戦を統括する米中央軍司令部が、イラン製の弾道ミサイルおよび巡航ミサイルの部品を押収しています。これらは、イエメンの反政府武装勢力「フーシ派」に輸送される予定でした。

蘇紫雲氏
「イスラエルとハマスの戦争でも、ハマスが使用する簡易ミサイルの原材料や鋼管が中国共産党から供給されていたことが判明しています。軍民両用の名目で鋼管が輸出されていました。また、ハマスの地下トンネルでは、中共の工兵が指導したとされる技術や技術資源が確認されています。こうした要因から、イスラエルと中共の関係は大きく冷え込みました」

蘇氏は最後に、中共は長年にわたり中東地域の安全を損なう存在であり、その行動は中東諸国からの強い反発という反作用を招く。結果として、比較的穏健なアラブ諸国が米国側に傾くことを促すだろうとの見方を示しています。

 

 
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