中共に戦略備蓄石油の販売禁止 米下院で法案可決

米下院は1月8日、重要な法案を可決しました。この法案は、米国の戦略石油備蓄(SPR)の原油を中国共産党(中共)に販売することを禁止するとともに、商務省などの連邦機関の職員が中国に出張する際、その詳細を議会に報告するよう求めています。

1月8日、米下院は397対28という圧倒的多数で、この歳出法案を可決しました。輸出規制の強化に関しては、法案が商務省産業安全保障局の予算を4400万ドル(約68億円)増額し、総額を2億3500万ドル(約366億円)に引き上げています。これにより、米国の機微技術が中共に渡るのを防止する狙いがあります。

同法案はさらに、戦略備蓄石油を中共に販売することを禁止し、中国およびロシア国籍の人間が米国の核兵器製造施設に立ち入ることを禁じています。また、エネルギー省が「米国側が懸念を示す外国の団体」に対して財政支援を提供することも禁止しています。

台湾の国防安全研究院の研究員 沈明室氏
「これは単なる石油取引の問題ではなく、米中対立という全体的な文脈の中でエネルギーが果たす役割として見る必要があります。もしベネズエラの石油を米国が掌握しているなら、中共に石油を売却することはあり得ません」

台湾の国防安全研究院戦略・資源研究所 蘇紫雲所長
「したがって、今や比較的低価格の石油供給源はロシアしか残っていません。これは当然、中共の経済全体における原材料・石油・エネルギーの確保に影響を与え、現在の中共内部の経済低迷にとっては、まさに泣きっ面に蜂のような状況です」

法案には連邦政府の情報技術システム保護条項も含まれており、商務省や司法省、NASA、米国立科学財団(NSF)が、サプライチェーンおよびサイバーセキュリティのリスク審査を完了しないまま情報技術システムを購入することを禁じています。この審査には、外国勢力、特に中共による関与の有無を評価する項目が含まれています。

沈明室氏
「米国はインド太平洋戦略や対中戦略を通じて、中国の影響力と総合的な国力を徐々に低下させようとしています。まず関税や経済措置で圧力をかける一方、自国の軍事力を一層強化することで、中国との軍事的格差を拡大し、抑止力を高める狙いがあります。これにより、中国が他地域で軍事的脅威や侵略行為を実行することを思いとどまらせようとしているのです」

法案では、NASAおよび米国立科学財団が議会の明確な承認を得ずに中共または中国企業と二国間協力や契約を締結することを禁止しています。

また、対中国の反ダンピング税および相殺関税措置の執行強化に1640万ドル(約25億5千万円)を計上しており、米国の労働者と製造業の保護を強化することを目的としています。

蘇紫雲氏
「インド太平洋戦略では、より直接的な軍事的対峙があります。その周辺には国家的な戦争体制、すなわち科学技術の規制や重要技術の共有禁止、人員交流の制限なども含まれています。今回そこに燃料分野が加わったことで、米中間のインド太平洋競争において、中共の『戦争機械』に再び打撃を与えることになりました」

さらに、この法案は商務省、NASA、および米国立科学財団に対し、四半期ごとに議会へ報告書を提出し、政府職員の中国への出張の詳細および目的を明記するよう義務付けています。

沈明室氏
「米国は今すぐデカップリングを行うわけではありませんが、中国への依存をいかに減らすかを模索しています。レアアースや関連製品の自立体制を徐々に構築し、同盟国との脱中共サプライチェーンを築くことが極めて重要になっています」

これに先立ち、米中戦略競争特別委員会と教育労働力委員会は共同報告書を発表し、中共が米エネルギー省の助成を受けた研究者との協力関係を通じて、中共軍が米国の機微な核技術や経済・国家安全保障に関連する先端技術へアクセスしていると警告していました。

また、米議会の調査担当者は、米連邦資金が投入された研究プロジェクトの一部に、中共軍に直接仕え中共国営の研究所や大学が関与していたことを明らかにしました。

蘇紫雲氏
「米国では二大政党間で国内政治の競争はありますが、対外政策においては一致しています。これは、台湾のような新興民主国家が学ぶべき点です。民進党、民衆党、国民党が異なる政治路線を持っていたとしても、対外政策では一致すべきです。なぜなら、それは政党を超えた国家の利益だからです。この点は、米国の法案からも学ぶべき教訓となります」

関係者によると、この調査は米議会が「防護壁」を設ける取り組みの一環であり、米国の科学研究成果が中共の軍事力強化に利用されるのを防ぐことを目的としています。

 
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