2月12日、米国中央情報局(CIA)は中国語の映像を公開しました。心理戦術を用いて、中国共産党(中共)軍内部の潜在的な情報提供者を標的にし、中共軍幹部の離反を促すことを目的としているとみられます。
中共中央軍事委員会副主席・張又俠は先月、党首の習近平によって粛清され、取り調べを受けています。しかし、各大軍区はいまだに「断固として支持する」といった声明を出していません。この異例の沈黙が軍内の不安定さを一層高めています。こうした敏感な時期に、CIAは2月12日、中共の官僚や市民に向けた宣伝映像を突如として公開しました。
映像では、架空の軍人が語り手として登場し、中共軍の実情を描いて、軍指導部内部の疑心暗鬼を表現しています。
CIAの映像
「これは私のよく知る世界です。祖国を守り、人々を守ります。だが、日々を重ねるにつれて真実はますます明らかになっていきます。指導者たちが本当に守っているのは、自分たちの私利私欲だけです。彼らの権力は無数の嘘の上に築かれています。しかし今、その嘘の壁は徐々に崩れ始めています」
台湾国防安全研究院研究員 沈明室氏
「CIAは現在の中国情勢の最新状況を把握しようとしています。特に派閥争いや内部の権力闘争に耐えられず、中国を離れたい、あるいは脱出したいと考える人にとって、CIAは有力なルートとなり得ます」
映像は、最近の中共軍上層部における大規模な粛清を背景に制作されたものです。先月、中共は中央軍事委員会副主席の張又俠と参謀長の劉振立の失脚を急きょ発表しました。軍幹部の間では、次は自分ではないかとの不安と恐怖が広がっています。
台湾国防安全研究院戦略資源所所長 蘇紫雲氏
「中共軍内部で士気が不安定になっているこの時期を利用し、良心に目覚めた将校が寝返る可能性を探る意図があります」
沈明室氏
「この宣伝映像は非常に効果的だろう。習近平の政策にも影響を及ぼす可能性があります。習近平は疑心暗鬼に陥り、周囲の人間がすでにCIAに買収されているかのように感じるでしょう。その不安と苛立ちがさらに強まると、誤った判断を下して批判され失脚するか、精神的に不安定だと見なされ、政務を執る能力を失ったとして辞任を迫られます」
この映像は、中共による最新の「軍内粛清」が引き起こす不安定な空気を利用し、内部協力者を募集しているようにも見えます。
沈明室氏
「第一に、これは米国が中共内部情勢の変化を非常に重視し、注視していることを示しています。さらに、特定のグループや人物の考えを把握していることも意味します。これはCIAが中国関連の情報収集・分析を積極的に進めていることを示しています。そこまで力を入れるのは自発的なものではなく、米中関係は極めて重要な時期にあるからだと思います」
CIAの映像
「リーダーシップのある者は必ず妬まれ、容赦なく排除されます。私はそんな狂人たちに、娘の未来を決めさせるわけにはいきません。戦場の経験もない者たちが、我々を戦場へと駆り立てようとしています。私は兵士です。私の使命は国民を守り、祖国を守ることです。この道を選んだことこそ、家族と国を守るための私の戦い方です」
この言葉は、映像のタイトル「立ち上がる理由 未来を救うために」と呼応しています。
蘇紫雲氏
「習近平には実戦経験がありませんが、戦場に立ったことのある張又俠は彼によって拘束されました。本当の軍人だけが戦争のリスクを理解しています。もし習近平のような無責任で戦場経験のない人が指揮すれば、中国が戦火に巻き込まれる恐れがあります。このようなメッセージが動画に込められています」
沈明室氏
「習近平の党内での地位、太子党内での立場、軍内での影響力はいずれも危機的状況にあることが伺えます。いまは誰もが機会を待っている状況です。チャンスとは、外部で大きな問題が起きるか、あるいは内部で誰かが動き出して習近平に挑戦することです」
映像の最後には、「世界の運命はあなたの手の中にある」という字幕が表示されます。
沈明室氏
「現在、中国情勢の最大の変化は、軍と習近平との関係にあります。いまだにどの戦区も軍種も、張又俠の拘束に対する習近平の動きに公に呼応していません。もし軍が賛同していないのであれば、習近平はどうするのでしょうか。引き続き軍を引き込み、宣伝を強化しても軍隊が従わなければ、中国ではクーデターや上層部の権力闘争が起こる可能性が高まるでしょう」
関係筋によると、CIAが公開した一連の映像は、中共の高官や新たな情報提供者の募集、さらにはその他の貴重なリソースの獲得において、大きな成功を収めているといいます。




