習近平訪米で「歓迎」参加者を募集か 航空券・宿泊は無料

中国共産党の習近平は今月下旬、米国を訪問し、トランプ大統領と会談する見通しとなっています。訪米を控え、反体制派や抗議団体の間では、抗議活動に向けた準備が進められています。一方、中共の在米公館が再び資金を提供し、ワシントンで習近平を「歓迎」するための人員を集めているとの情報が出ています。

米メディアは先日、習近平が今月23日に米国入りし、24日にワシントンでトランプ氏と会談、25日に帰国する可能性が高いと報じました。こうした異例の短期間の訪米については、抗議活動を避ける狙いがあるとの見方も出ています。中国民主党国際連盟の界立建主席は2日、米中首脳会談を前に、米国内の反体制派がすでに準備を整えていると語りました。

中国民主党国際連盟主席 界立建氏
「活動の各段階や手順については、すでに計画を立てています。今回は全米各地の中国民主党関係者に加え、反中共の立場の人々も一緒にワシントンD.C.へ向かいます。米国憲法修正第1条で保障された権利に基づき、平和的なデモや抗議を行い、政治的要求を訴えるとともに、中共による人権侵害を非難します」

こうした活動をめぐっては、一部で脅迫や嫌がらせも起きており、関係者はFBIに通報しているといいます。

中国民主党 賈会剛氏
「最近、我々の国際連盟に脅迫を含むメールが届いており、すでにFBIに報告しています。匿名で送られてきたもので、日本や米国の政府を脅すような内容も含まれていました」

一方、在米華人の一人がXに投稿し、中共の在米公館が資金を出し、ワシントンD.C.で習近平を「歓迎」する人員を集めていると明かしました。参加者を集めている人物の一人は、WeChat上で「霞」と名乗っています。

関係者が提供したスクリーンショットによると、霞さんはWeChatのグループでワシントンD.C.へ向かう参加者を募集し、「中国大使館と商会が費用を負担して参加者を招待する」「日程は22日から26日で、正式な通知がある」「航空券、食事、宿泊は無料で、習近平とトランプの会談を見に行く」などと書き込んでいました。

霞さんは電話で、この歓迎行事が予定されていることを認めました。

霞さん
「無料で行けて、食事と宿泊、航空券も無料です。歓迎行事への参加に報酬は出ません」

在米華人
「何日間くらい必要なんですか。食事や宿泊はどの程度ですか」

霞さん
「分かりません。何人か集めてほしいと言われたから、探しているだけです。ほかのことは…」

在米華人
「誰に頼まれたんですか」

霞さん
「友人が所属する商会」

別のスクリーンショットでは、霞さんがWeChat上のユーザー(A甲級Eva)に連絡し、ワシントン行きの航空券を手配するよう案内していました。

そのユーザーも電話で、この活動について認めました。

A甲級Eva
「航空券も食事も宿泊も無料。でも現金は出ません」

在米華人
「ネットではお金ももらえるって書いてありましたけど?」

A甲級Eva
「ワシントンまでの往復航空券に食事と宿泊まで出せば、1人当たり2千ドル以上かかります。それでさらにお金まで出すのですか?」

在米華人
「ホテルは星いくつで、1部屋何人泊まれますか」

A甲級Eva
「2人で1部屋です。習近平が来るから、歓迎に行きます」

霞さんによると、すでに40人以上が参加を希望しているといいます。

霞さん
「私のWeChatを友達登録して、行きたいと言っている人だけで40人以上います。ほかの人たちもそれぞれ参加者を集めています。私個人で集めているのではなく、ロサンゼルスの商会がやっています」

ロサンゼルス周辺の一部華人商会は過去にも、習近平の訪米時に歓迎活動を組織したり、中共領事館からの要請を受けて関連行事に参加したりしました。

米国の外国代理人登録法では、外国政府の指示や管理、資金提供を受けて政治活動などを行う場合、外国代理人として米国政府へ登録する必要があります。

界立建氏は、政治的な目的で華人を集め、航空券や食事、宿泊などを提供する行為について、法令に抵触する可能性があると主張しました。

界立建氏
「米国内で、中国政府や外国政府の領事・外交関係者の指示を受け、政治集会の組織や企画、参加者の手配などに関わる活動を行い、その費用を中国(中共)大使館が負担しているのであれば、こうした政治活動について米司法省に届け出ていない場合、外国代理人登録法(FARA、22 USC §611以下)や、外国政府の代理活動に関する届け出義務を定めた法律(18 USC §951)に違反する可能性があります」

関係者が提供した画像によると、こうした「無料」の活動に参加する際、本人確認書類や個人情報の提出を求められる場合もあります。界立建氏は、在米華人に対し、個人情報を渡すことにはリスクがあると警告しました。

界立建氏
「相手はあなたの個人情報を集め、IDの提出を求めます。中国の身分証番号やパスポート、米国のパスポート、運転免許証などです。こうした情報が中国政府に利用されるのではないでしょうか。中国政府は必要とあれば、あなたが金を受け取り、こうした政治活動を行ったことを弱みとして利用できます。米国では、こうした行為が犯罪に問われる可能性もあります。後から関係を断とうとしても難しくなるかもしれません。中国にいる家族にまで圧力が及ぶ恐れがあります」

習近平が前回米国を訪れたのは2023年で、サンフランシスコで開かれたAPEC首脳会議に出席し、バイデン前米大統領と会談しました。

当時、抗議団体は習近平の訪問先各地で抗議活動を展開しました。その際、親中共派の参加者による抗議者への嫌がらせや暴行も起き、米治安当局が警戒を強める事態となりました。

 
関連記事