【健康】ボケ防止には足腰を鍛えよう!一卵性双生児研究から得られた知見

あなたは自分が年をとっているから、強い筋肉があるかどうかは関係がないと思っていませんか。実は、ロンドンのキング大学の研究チームが筋肉トレーニングと脳年齢が密接に関係している事を発見したのです。歩く時間を増やすなどの運動の介入は、脳に良い影響を与えることをも見出しました。

この研究では、健康やライフスタイルに関する様々な要素を測定した、TwinsUKに登録しているボランティアの324組の健康な双子の女性達に協力してもらいました。そのため、彼女たちの認知機能をモニタリングするとともに遺伝的要因をコントロールすることができたのです。

一卵双生児(pixabay)

チームはまず、双子のうち足の筋肉の強い方が弱い筋肉の被験者よりも、よりよい認知機能を維持している事を発見しました。また、足の筋肉の強い双子は10年間にわたって脳の変化が少なかったことも判明したのです。

エクササイズは神経細胞の成長を促すホルモンを生成させるので、体を動かすことがどれほど脳の老化に影響があるのかをこれまでも研究されましたが、強い下肢(股関節より指先までの部分を指す)と認知能力との関係が明らかになったのは今回が初めてです。

歩く運動(pixabay)

チームのリーダーで、クライアー・スティーブス(Claire Steves)博士は、「誰もが年を取るにつれて脳の機能を良い状態に保つにはどうすれば一番いいのか知りたいものです。一卵性双生児は私達が大人になっても変える事の出来ない遺伝子や人生の初期段階の生活といった、多くの要素を共有しているので、比較するのにとても役立ちますね。10年前に下肢の力に違いのあった一卵性双生児の認知と脳構造がどれほど違うのかを見ることはとても興味深いです。今回のデータでは、体を活発に動かす単純なライフスタイルを変えることによって、私たちを精神的にも肉体的にも健康を保つ助けになると示唆しているのですね」と説明しています。

ただし、下肢の強さと認知機能との関係をより理解するには、更なる研究が必要です。チームは、免疫機能や血液の循環、神経シグナリングなど年齢と関係のある要素も一役を果すのではないかと考えています。

シナプスによるシグナル伝達(pixabay)

そして、今回の研究結果が男性にも当てはまるのかどうかをさらに調査する必要があるのですが、一般的、体全般の健康状態を保つために、一定のレベルの運動を維持することを全ての年齢層の人々に推奨しています。

記事作者のモハン・ガリキパリシ氏( Mohan Garikiparithi)はオスマニア大学(保健科学大学)の医学学位を取得しており、インドの診断センターで微生物部門責任者として勤務しました。 この記事はBel Marra Healthに掲載されたものです。

 
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