【本当はこわい親のスマホ依存】小児科医も「親のスマホ制限」勧める

良くも悪くも、子は親の背中をみて育ちます。

小児科学雑誌・JAMA小児科の最新記事によると、子どものスマホ遊びに時間制限を設ける必要があるのと同様に、親にも制限が必要だと言います。

子どものスマホ依存は親の影響が大きいのは明らかです。

子育てにおいてたまにはスマホを忘れ、子どもの話を聞き、一緒に遊ぶ濃厚な時間を優先することが大切です。

「親たちは仕事、友人付き合い、情報収取、娯楽のすべてをスマホで一括管理し常にポケットのスマホを気にして毎日を過ごしています」と米ミシガン大学医学部小児科学ジェニー・ラディスキー氏はいいます。

発達行動の専門医であるラディスキー氏の研究によると、スマホ依存の親ほど子どもと向き合う時間が少なく、子育てに葛藤し、時間の経過に伴ってますます子どもの問題行動が悪化していく傾向にあることがわかりました。

「この研究を始めた頃、TV好きな親ほどTV好きの子供が育つという研究データが山ほどありました。そしてTVが常に付けっぱなしの家庭では親子の濃厚な会話や質の高い時間が少ない傾向にありました」とロイターヘルスの電話インタビューで語るラディスキー氏。

JAMA小児科患者ページbit.ly/2N0jpl3)では親のスマホ使用に関する実用的なコツを紹介しています。

モバイル技術の進化により日常生活では多くのことが簡単に出来るようになった一方、仕事との両立など子育ては昔よりも多くの要求を突き付けられています。

「私も仕事をもつ母親として、職場での複雑な問題に悩んだりニュースの世界情勢が気になったり、時に仕事や世の中に対して自分が無力な気分になることがあります。そんな時は特に子供の相手をしてあげることがどんなに大変かよくわかります。」とラディスキー氏。

ラデスキー氏とマサチューセッツ州ウィスコンシン大学医学部および公衆衛生学部のメーガン・モレノ博士は、まずは立ち止まって自分とスマホの関係を客観的に見つめ直すことが大切だといいます。

スマホでストレス発散をする代わりに、深く深呼吸して散歩をしてみましょう。

難しい家族問題から目を背けようとスマホに逃げこむ代わりに、意図的に人と関わり問題に向き合いましょう。

時間の経過を意識して、メールやネット検索にどれだけ時間をかけているか気にかけるようにしましょう。

「マルチタスクは効率はいいけれど、効果的ではありません。子育ても同じです」とラディスキー氏。

また両氏は、家族が一緒にいない時メールチェックやニュース検索など、あなたがスマホで何に一番依存しているかを意識することを勧めています。

更に付け加えると、親は子どもとの食事時間、睡眠時間そしてスマホを手放して家族と一緒に何かに取り組むリラックス時間を大切にするべきだといいます。

また子供は親の行動を真似するので、運転しながらのスマホいじりや、くだらない投稿、スマホいじり中に周りの人を無視したり、子供がするべきでない悪いお手本を見せないことが賢明です。

「親のスマホ依存は、子供の感情や知的発達に不可欠な面と向かった親子の交流を削ってしまうでしょう」とアトランタの小児科グループの医師であり米国小児科学会の消費者情報ウェブサイトHealthyChildren.orgの医学編集者でもあるジェニファー・シュウ氏はいいます

更に「親のスマホ依存は子供から目を離しがちで、安全性の問題につながる可能性がある」とも指摘しています。

親たちはスマホをつかって社会的なサポートを受けられる情報を得たり、子供と楽しんだり、仕事を早く片付けて家族の元に帰ったりできると、スマホが家族の関係においてもプラスの働きをしていると思っている、とラディスキー氏とモレノ氏はいいます。

しかしある研究データでは、親たちに携帯が壊れたり充電できない環境で数日過ごしてもらったところ、どんなに頭がすっきりして気が楽だったか、どんなに気を散らされず夢中になって一つのことに取り組めたか、どんなに子どもたちと過ごす時間の確保が簡単だったかと感じていることがわかりました。

JAMA小児科患者ページでは、インターネットへの写真やコメント投稿も控えるよう推奨しています。

親は子供との時間を大切にし、適切なスマホ使用のお手本にならなければなりません。

「親はいつでも常識的行動を示し、常に子どもにとって最良のお手本であるべきです」とシュウ氏は指摘しています。

 

 

 

 

 
関連記事