中国の大卒者の就職難が深刻 教育部は西部地域への就職を推奨

近年、中国の大学卒業者数は毎年最高記録を更新し続け、来年の卒業生の数は900万人を超えると見られています。最近、中国教育部は新しい政策を打ち出し、西部など農村地域へ就職することを推奨しています。これらは、中国に深刻な就職難があることを浮き彫りし、実際は楽観的な経済状況ではないことを示めしています。
中国の大学卒業者数は毎年増加しています。2009年、卒業生の数が630万人に達したとき、中国教育部は大卒者が地方や西部地域へ行くことを推奨しました。来年の卒業生の数は909万人に達すると想定されており、雇用情勢のさらなる悪化が予想されています。

教育部は12月1日に、卒業生の西部地域、末端行政機関などに就職することを推奨し、これらが大学の雇用の評価指標に含まれるとの通知を発表しました。

今年8月、浙江省のある区役所と街道弁事処(かいどうべんじしょ)と呼ばれる都市末端の出張所に採用された全員が清華大学や北京大学の修士、博士であると中国メディアが報道し、論議を引き起こしました。

米放送局のラジオ・フリー・アジア(RFA)は経済学者の秦偉平(しん いへい)氏の分析を引用し、中国の雇用状況は非常に厳く、中国経済の不況下、大学は依然として入学者数を増やしており、大学教育と社会需要の溝が深まりつつあることが浮き彫りとなったと報じました。
北京のベテランジャーナリスト、高瑜(こう・ゆ)氏は、現在の失業問題は中共が教育を産業化し、学生を金儲けの対象にした結果であり、国内外経済の真実な表れだと述べました。

北京のベテランジャーナリスト 高瑜氏
「これは中国経済の真実な表れだ。大学生は卒業しても就職できない。中国の農村が貧困から脱却したと言っているが、これらの大学生は貧困層になってしまった。それでも貧困から脱却したと言うのか?」
さらに、国際社会の中共に対する姿勢も厳しくなり、中国人留学生へのビザ発給も減少しつつあります。

北京のベテランジャーナリスト 高瑜氏
「今回の疫病(中共ウイルス)流行により、ヨーロッパは出入国を制限している。米国も疫病の問題だけでなく、中国(共)への制裁もしている。このような状況下、一部だが、卒業生の留学の道さえ塞がってしまった」

高瑜さんは、「中共は世界経済の回復に貢献すると繰り返しアピールしているが、大学生は卒業しても就職できないため、政府は発展途上の西部地域へ卒業生を送ろうとしている。これらのことは、中国の真実の経済状況を説明している」と強調しました。

 
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