バイデン氏 初の議会演説 専門家は外交政策に懸念を示す

バイデン大統領は就任100日を迎え、4月28日、就任後初めての演説を議会上下両院の合同会議で行いました。一方、バイデン大統領の外交政策の一部に懸念を示す学者もおり、大統領には有言実行を促しています。

就任後の100日間でバイデン大統領は外交政策の分野で素早い動きを見せました。

バイデン大統領は、トランプ前大統領が脱退した国連人権理事会、世界保健機関(WHO)およびその他の国連機関に復帰しました。

アメリカン・エンタープライズ研究所上級研究員/ダニエル・プレトカ
「私にとっての問題は、バイデン大統領がこれらの組織に復帰しても何一つ得るものがなかったことだ。バイデン大統領はこれらの組織が明瞭に露呈している諸問題に書面でも口頭でもなんら言及することなく、これら全てに復帰した」

バイデン政権は、2015年に締結されたイラン核合意への復帰にも含みを持たせています。しかし、外交政策専門家のダニエル・プレトカ氏は、バイデン大統領はイラン側に何らかの譲歩を迫ることには無頓着であると懸念を示しています。

イラン側から何かを引き出すどころか、バイデン政権は最近、中共とイランの間の4000億ドル(約4兆3700億円)規模の取引を認めてしまったとプレトカ氏は考えています。

アメリカン・エンタープライズ研究所上級研究員/ダニエル・プレトカ
「バイデン政権は他国を利用してイランの経済的困窮を緩和しようとしているようだ。制裁解除の圧力を弱めるために」

中国問題専門家のデレク・シザーズ氏は、バイデン政権は中共政権との交渉に際して、行動よりも口先だけで終わっていると指摘します。
その例として、北京冬季五輪への対応を挙げています。

アメリカン・エンタープライズ研究所学者/ デレク・シザーズ
「米国の政府関係者を五輪に派遣するつもりはない。本当なのか?政府がジェノサイドを行っているというのに、選手が五輪に参加し、彼らをサポートし、PRをするのは構わないというのか?ジェノサイドという言葉を使う以上は、言葉だけで済まさずに実際に行動を起こす必要がある」

シザーズ氏は、対中貿易の膨大な赤字や中国株や中国債券への投資額についても懸念を抱いています。その投資額は、1兆1千億ドル(約120兆円)に上ります。

アメリカン・エンタープライズ研究所学者/ デレク・シザーズ
「問題に取り組まなければ、(バイデン政権が)中国問題に対して真剣ではないということだ」

シザーズ氏は、中共軍関連企業に対する投資の禁止を命じたトランプ前大統領の大統領令について、バイデン政権がどのような対応をするのか注視する必要があると述べています。

この大統領令の施行開始は5月27日に延期されました。

〈字幕版〉

 
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