湖北省の食品市場でガス爆発事故 住民「当局は真相を隠匿している」【禁聞】

6月13日の早朝、湖北省十堰市(じゅうえん-し)張湾区でガス爆発による死傷事故が発生しました。まもなく中共が発足100周年を迎えることから、当局は関連部門に対し、爆発の原因を速やかに調査するよう求め、各地に対しリスクの徹底調査を求めました。当局は、今回の事故で中共の建党100周年記念式典に水を差すことにならないよう憂慮しているとみられます。

家屋は壊れ、ビルは倒壊しています。湖北省十堰市張湾区艶湖住宅街付近の食料品市場で、6月13日早朝に天然ガスの爆発事故が起き、現場は一瞬の間に廃墟と化しました。

現地住民
「41廠食品市場が倒壊した。下の部分全体がこんな風に倒壊してしまった」

現地住民
「41廠食品市場の下の階全体が崩れた。その下に何人が埋まっているのか分からない」
ネットユーザーが公開した動画には、市場周辺の家屋がすべて倒壊し、周囲ががれきの山と化したうえ負傷した住民が地面に横たわっている様子が撮影されています。

十堰市在住の陳さん
「食堂を開いている人、油条(揚げパン)を売る人や他の商売をやっている人、多くの人が埋もれて、救出もできない。向かいの門のガラスは全部振動で割れてしまって、建物の下の部分は倒壊してしまった。ひどい爆発だった。現在は周囲2キロくらいに警察がいて通行できない。バスも止まっている。現場には入ることができない」

爆発が起きた住宅街付近に住む陳さんは新唐人テレビの取材に対し、事件が起きた市場の近くは人口密集地域のため、影響が非常に大きいと語っています。

陳さん
「この工場は41廠と呼ばれている。ここは住宅街で、出勤前にそこで食事中の人もいた。比較的人口が密集しているので死亡者もこんなに多かった。あの爆発は本当にひどかった。事故原因は何なのか?人為的なものなのか、それとも?事故発生前に誰かが(警察とガス会社に)通報していたのに誰も気にしなかったのだと、この事件が起きた後に人から聞いた」

爆発事故の発生後、北京当局は大いに震撼し、習近平国家主席はその日の午後に負傷者の救出に力を尽くすよう要請したほか、事故原因の究明と責任の追及に全力で取り組むと強調しました。

習近平主席は、最近中国各地でこうした事故が頻繁に発生しているとして、各地の関連部門に対し安全上の隠れたリスクを徹底調査して重大事故の発生を防ぎ、中共発足100周年をよい雰囲気で迎えられるよう求めました。

十堰市在住の周さん
「艶湖公園の市場で爆発が起きた。建物の内部は爆発で見る影もない。建物が倒壊して、爆発で人が死に、怪我をして死んだ人もいるのだからこれは大きな事故だ。そうだろう?これがおから工事(手抜き工事)だ。おから工事が原因で起きたのだ」

その後官製メディアの中央電視台は、この日のうちに救出された150人のうち、12人が死亡、138人が負傷したと報じました。一方で市民は、当局は真相を隠匿していると批判しています。

周さん
「彼らの言うことは信じられない。彼らはずっと嘘をついている。彼らが報じることは何であれ嘘だ。彼らは真実を報道しない。彼らの報道はすべて嘘、虚偽だ」
別のネットユーザーも「天然ガスが漏れなければ爆発は起きない。これほどの大規模爆発が起きたのだから、ひどいガス漏れが起きていたか、さもなくば人為的なものだったはずだ。大手メディアはなぜ『(ガス)漏れ』という言葉を避けているのか」と疑問を呈しています。

周さん
「具体的には数日前に誰かが通報したらしいのだが、警察は出動も調査も行わなかった。誰かが間違いなく問題があると思ったから通報して調査を依頼したのに、ガス会社も調査せず、警察も動かなかった。そういう話を人から聞いた」

爆発が起きた住宅街の近くに住む李さんは取材に対し、自宅がひどい被害を受けたので今は別のところにいるが、ものを取りにも行けないし、現場に入ることもできないと述べています。

十堰市在住の李さん
「けがをしてもまだ生きている人は病院にいるし、現場で亡くなった人は車に乗せられて連れていかれた。まだ救出されていない人のことは分からない。壊れた家も多い」

事故当日は浙江省温嶺市(おんれい-し)で起きた燃料ガス爆発事故からちょうど1年で、ある住民は不吉な感じがすると言います。

湖北市在住の廖さん
「安全作業が行き届いていなかったに違いない。現在当局は世論を厳しく統制している。いずれにしても、今回の件は不吉な感じがする」

昨年6月13日午後、寧波市から温州市に向かうガスタンク車が甬台温(ようだいおん)高速道路で爆発し、20人が死亡し175人が負傷しました。

 
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