米国で中国学生操作する中共の浸透工作

米国の多くの大学には、「中国人学生学者連合会(CSSA)」と呼ばれる組織が設置されています。この団体は中国共産党(中共)の在外公館と密接な関係を有しており、複数の在米中国人留学生や元関係者、研究者の証言によれば、中共が海外において統一戦線工作や浸透活動を展開し、留学生を統制するための主要な手段の一つとされています。こうした活動は現在も、米国の大学キャンパスにおける学問の自由や言論の自由を脅かす要因となっています。

CSSAは、米国各地の大学に広く存在しています。表向きは、学生間の交流促進や生活支援、文化活動を目的とする学生団体とされていますが、実際には長年にわたり中共の在外大使館や領事館から支援や統制を受けてきた実態が明らかになっています。

活動家や元学生団体の幹部、専門家らは、中共がCSSAを動員し、海外の中国人留学生に影響を及ぼしたり、場合によっては脅迫したりすることが可能だ、と指摘しています。場合によっては、圧力を加えることも可能だとされています。一部の留学生は事実上「人質」のような立場に置かれ、中共の意向に沿わない発言をする留学生同士を監視し、当局に通報する役割を担わされているといいます。

米国留学中の張俊傑さんは、中国人学生が海外で言語や文化の壁に直面すると、自然と学生団体に頼る傾向があると述べ、「CSSAはまさにそうした心理を利用し、学生を統制下に置いている」と語りました。

中国留学生 張俊傑さん
「中国じん学生学者連合会は単なる学生団体のように見えますが、中共はこの団体を通じて統一戦線や宣伝活動を展開しているのです」

中共は、CSSAを通じて留学生を動員し、政治的な活動に参加させています。例えば、中共高官の外国訪問時に街頭で歓迎の旗を振らせたり、大学に抗議書簡を送らせて反中共的な発言や活動に圧力をかけさせたりしています。

張俊傑さん
「習近平が米国を訪問した際には、CSSAが学生を動員し、金銭を渡して支持を表明させたこともありました。学生たちは観衆の役割として動員させられるほか、米国寄りの思想を持つ学生や中共に批判的な学生の監視や通報を命じられることもあります」

中共はこれまでも海外留学生を重要な「人的資産』として扱ってきました。習近平は、2015年に留学生を統一戦線工作の「新たな重点対象」と位置づけています。

張俊傑さん
「中共にとって留学生団体は浸透および統一戦線工作の最前線です。外交官が表立って関与しにくい事柄もあるため、学生学者連合会のような『隠れみの』を通じれば、大学に対して容易に影響力を行使できる。例えば、学術交流といった形で関係を築くことが可能になります」

2024年4月には、中共の謝鋒駐米大使がハーバード大学で講演を行った際に、人権問題に抗議する学生が現れました。しかし、その場でCSSAのリーダーである鄒宏基が抗議する学生学生への襲撃や暴行に直接関与したとされています。

米下院の対中共特別委員会は2024年末に声明を発表し、米国の高等教育機関は中共の影響力に真剣に対処すべきだと指摘しました。また、鄒宏基を「親中共的な扇動者」として名指ししています。

張俊傑さんは、謝鋒大使がハーバード大学で公開講演できたこと自体が、CSSAの長期的な活動の成果だと思っています。

張俊傑さん
「見かけは民間の学生団体のようですが、実際には中共の外交・統一戦線戦略に基づいて動員され、指示を受けているのです」

CSSAと中共当局の関係は1970年代にまで遡ります。当時、中共は「米英を追い越す」という国家目標のもと、多数の学生を海外に派遣しました。そして、世界各地の大学にCSSAを設立し、留学生の思想と行動を監視しています。

米サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクールの謝田教授は、1980年代に留学した際、自身もCSSAに参加し、後に会長が中共領事館によって任命されていたことを知ったといいます。

米サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクール教授 謝田氏
「大使館が自ら指名した人物を通じてCSSAの『役員改選』を操作し、中共の地下党員のような人物を幹部に据えようとすることに気付き
ました。そこで私たちは反発し、1988年に自由選挙を行って中共が指定した候補者を落選させました」

1989年の天安門事件で中共が学生を弾圧した後、多くの留学生会は一時期独立した学生団体として再出発しました。しかし、こうした動きを担った学生らが卒業すると、これらの団体は再び中共の在外公館の管理下に戻っていったといいます。

謝田氏
「CSSAは、学生を容易に統制できます。なぜなら、学生はパスポートの延長手続きをしており、帰国の必要もあるため、中共を怒らせることを誰も敢えてしないからです。CSSAはさらに、学生団体の中核を担う、共産党と関係のある人物を通じて、中共の指導者が訪問する際には学生を動員して歓迎式を行わせています。また、頻繁に活動を開催し、領事館の関係者を招いて講演を行わせることで、その支配力を一層強化しています。その後、内部に多くの訪問学者が含まれるようになり、これらの人々に米国の機密を盗むよう奨励するようにもなっています」

情報筋によると、トランプ政権下で中共の浸透が抑制されつつも、中国人留学生の受け入れは続いている現状を指摘し、「CSSAによる脅迫的な手段を阻止し、中共とのつながりを絶つことが急務だ」と警鐘を鳴らしています。

 
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