「中共の宇宙開発 軍事利用が第一」宇宙・国家安全保障専門家

中共政権の宇宙開発の目的は何でしょうか?米国の宇宙専門家がNTDに語ったところによると、中共の目的は何よりも軍事利用だといいます。専門家によると、中共は米国の宇宙開発に猛追しており、これは宇宙空間の秩序に打撃を与える可能性があるとされています。報道をご覧ください。

米国を拠点とする宇宙及び国家安全保障の専門家であるブランドン・ワイカート(Brandon Weichert )氏は、中共の宇宙開発は米国に軍事的脅威をもたらす可能性があると指摘しており、理由として中共の宇宙開発の主要な目的が軍事利用であり、次に民生利用であるためだと述べています。

ワイカート氏の発言は、6月17日中共が宇宙ステーションに向けた有人宇宙船「神舟12号」の打ち上げに成功したことを受けたものです。

中国の宇宙ステーションには、最大20トンの物体を動かすことができるロボットアームが搭載されています。中共政権は、このロボットアームは宇宙船のドッキングを補助するためのものだと主張しています。

しかし、ワイカート氏は次のような見解を示しています。

宇宙・国家安全保障専門家 ブランドン・ワイカート氏
「周知の通り、宇宙開発技術はデュアルユースだ。平時には、中国はロボットアームを使って宇宙船のドッキングを補助することなどができる。しかし、戦時には他国の衛星を軌道から抜き取り、軌道から押し出したり、また破壊工作をしたりするのに転用できる」

懸念されていることは、ロボットアームだけではありません。中国は宇宙ステーションにレーザーを装備することも計画しているとワイカート氏は述べています。

宇宙・国家安全保障専門家 ブランドン・ワイカート氏
「中国の宇宙開発技術者は、宇宙ステーションの軌道上の実証実験が完了した際、レーザーを設置することについて話していた。平時には軌道上の宇宙ゴミを除去するために使用されるという。しかし、戦争になれば、そのレーザーは米国の精密な衛星を破壊するために利用される可能性がある。中国の宇宙開発は軍事利用が第一で、次に民生利用だ。米国はその逆である」

米国の経済は人工衛星に大きく依存しています。もし衛星が破壊されたら、米国にとって壊滅的な打撃となる可能性があります。

宇宙・国家安全保障専門家 ブランドン・ワイカート氏
「(世界)経済では、電子取引によって毎日1兆ドルが世界を駆け巡っているが、これらには衛星が必要だ。もしその衛星を失えば、世界経済も米国経済も、1970年以前に戻ってしまうかもしれない」

中共は近年、宇宙開発を急ピッチで推進しており、米国の宇宙開発技術との差を急速に縮めています。先日、中国は軍事用の偵察衛星と思われる飛翔体を複数、軌道に打ち上げましたが、これは中国の周辺地域のレーダー画像を取得するためだと考えられています。

NTDキャスター
「中国共産党のような、悪意のある政党からの干渉の可能性に備えていますか?」

宇宙・国家安全保障専門家 ブランドン・ワイカート氏
「いいえ。私の著書「宇宙の真珠湾(space pearl harbor)」では、中国とロシアは2010年以降、米国との宇宙戦争に備え、勝利するために軍隊の再編成に取り組んできたと記している」

ワイカート氏は、衛星を守るためには、米宇宙軍の防衛力を強化する必要があると述べています。

宇宙・国家安全保障専門家 ブランドン・ワイカート氏
「最終的に米宇宙軍は、現在の衛星を守るだけではなく、今後10年、30年、50年、100年にわたって、太陽系全体の米国の商業的利益やを守るためのシステムや政策を生み出す必要があるだろう。これは現在、中共が考えている事だ」

今後も、同様の打ち上げが引き続き実施されるものと考えられています。米メディア「Space News」によると、中国は今年、さらに約40回の打ち上げを計画しているとのことです。

 
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