西安市が都市封鎖 市民はパニック買い

中国の中部に位置する陝西省西安市では、中共ウイルス感染拡大を受けて、23日からロックダウンが始まりました。西安市では現在、中共ウイルスのほか、出血熱の感染者も複数確認されています。市民は、当局の情報隠蔽が感染拡大を招いたと考えています。

当局は、西安市の感染地域は14の区や県に広がっていると発表しました。 22日の午後からは市内の交通規制が始まり、現地からの動画によると、高速道路が閉鎖されたため、車両がUターンして元の場所に戻っています。また、市民を隔離施設へ送るために使われると思われる大型バスが多数確認されています。

23日の午前0時から、西安市全体がロックダウンされ、閉鎖式管理が始まりました。不要不急の外出を禁止し、1世帯につき1人が2日に1回、生活必需品を買うために外出することができるとしています。外出時には、勤め先や居住区が発行する証明書の提示が求められます。この発表を受けて、西安市ではパニック買いが見られ、スーパーマーケットの商品が瞬時に売り切れました。

陝西省西安市 王さん
「都市が封鎖され、生活物資が全部なくなった。物価も上がり、何も手に入らない状況だ。スーパーマーケットに入るには、列に並び、PCR検査のコードの提示が必要で、ほかにも健康コード、行動範囲コードなど、全てのコードをスキャンしなければならず、入ったとしても、商品が買えるとは限らない。先ほど糧油市場に行ってきたが、何も入手できなかった。みな、不安に襲われビクビクしている」

西安市在住の張さんは、数日前にフードデリバリーで長安大学に行った際、柵越しに商品を渡しただけで、健康コードが黄色に変わり、14日間の自宅隔離を余儀なくされました。張さんは、当局が情報を隠蔽していると考えています。

陝西省西安市 張さん
「自宅で隔離されているので、ドライフードを食べている。おかずはほとんどない。家から出ることもできないし、お金もない。誰がかまってくれるか。政府の旅客の検疫に漏れがあり、他の省にまで感染が広がってしまった。政府は油断しすぎている。問題なのは、市民は何の情報も得ることができない。政府はその場しのぎのやり方だ」

西安市では、2日に一度の頻度でPCR検査を行っています。2回目の検査では、127人の陽性者が確認されたため、市民の間で大きな不安を引き起こしました。各検査スポットでは毎日、検査を待つ人が長蛇の列をなしており、集団感染のリスクが懸念されています。ある市民は、西安市では今年の前半にも感染が広がっていたが、当局は情報を封鎖していたと述べています。

陝西省西安市 王さん
「今年の前半にPCR検査の際、器具の消毒をしっかりしていないうえ、不潔な器具を重複使用していた。集団検査の際、感染者が一人いただけで、多くの人にうつしてしまった。大規模なPCR検査で、また多くが感染した」

12月9日以降、西安市の感染はすでに、陝西省の延安市、咸陽市(かんようし)、広東省東莞市、北京、河北省周口市沈丘県(しんきゅう-けん)など、5つの都市に広がっています。

このほか、西安では出血熱の感染者が複数確認されています。

西安市出血熱感染者家族 陳さん
「私が知っている限り、ここのICUだけでも少なくとも10人いるが、全員出血熱だ。うち二人は親子で、父親が先に送られてきて、二日後、息子も送られてきた。全員出血熱だ」

米国在住ウイルス学者 ショーン・リン博士
「当局はこれらの患者はハンタウイルスに感染しており、腎不全を伴う出血熱だと報道している。このような出血熱の症状は、中国北部では冬に時折発生しているが、今回の場合はその規模が問題だ」

西安市では現在、中共ウイルスと出血熱が同時に流行していますが、当局の発表からは詳しい情報を得ることができないため、市民は予防措置を取ることすらできません。

 
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