中国の感染者急増 多くの若者も「白肺」に

中国では最近、感染再拡大により、多くの人が感染し、死亡者も急増しています。さらに、感染者の多くに肺が感染して繊維化する「白肺」の症状が見られています。

中国の医師
「今日は夜勤だが、 この8時間ほどの間に私一人で120人以上の患者を診た」

感染急拡大の中、医療関係者らは重症患者の多さに驚いています。さらに、多くの患者は肺が感染し、呼吸不全になり、X線写真に肺が白く写るため、中国ではこの症状を「白肺」と呼んでいます。

中国の医師
「感染者40数人のうち、3分の1以上が重症で、白肺の人が10~20人だ。 白肺は高齢者だけがなるのではなく、20代、40代、60代の人もいる。病院がどういう状況なのか、ちょっと怖くなってきた」

通常のCT検査では、肺は黒く写ります。 白い影が写った場合、炎症が起こり、ウイルスに感染している可能性があります。こちらの動画では、中国のある医師がさまざまな年齢層の患者における「白肺」の状態について説明しています。

中国の医師
「こちらは48歳の患者で、手前の黒い方は正常で、両側にあるのが白肺だ。 これは65歳の女性の両肺で、白くなっており、重度の感染症だ。これは37歳の女性で、両肺にこのような斑状のすりガラス状の影、網目状の影があり、重度の感染症だ。陽性になって、このような白肺が見られたら、ウイルスが肺組織に侵入してウイルス性肺炎を起こし、低酸素血症を起こしたことを表し、非常に深刻な重症になっている現れだ」

別の医師もSNSで、28日に診た患者の半数が白肺だったと投稿しています。 ラジオ・フリー・アジアが取材した上海市民も、白肺になっている若者が非常に多いと述べました。

上海市民 房さん
「1983年生まれと1986年生まれの2人の友人が、脳幹出血で亡くなったと聞いている。 それに、白肺になっている若者が非常に多い。熱はないが、全部白肺になっている」

現在、世界各国で流行っている新型コロナウイルスはオミクロン株が主流となっています。オミクロン株は病原性が低いとされており、デルタ株で見られた呼吸器の症状は見られていません。したがって、中国で現在流行っているウイルスはデルタ株などの病原性の強い変異株が新たに現れたのではないかと疑われています。

 
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