WHOの最大の資金拠出国である米国は、同機関から正式に脱退し、その理由を明らかにしました。発表によると、WHOはコロナ対策で十分な対応を取らず、台湾からの警告を無視したほか、改革・説明責任・透明性の欠如が続いているとしています。
評論家らは、過去十数年を振り返ると、WHOの歴代事務局長の背後には常に中国共産党の影響が見え隠れしてきたと指摘しています。こうした政治的構造の下で、WHOが台湾の通報を軽視したことは、世界全体にとって大きな損失だったとしています。
米国は最近、正式にWHOから脱退し、トランプ政権もその理由を明らかにしました。
米保健福祉省の副長官で、米国疾病予防管理センター所長を兼務するジム・オニール氏は、1月23日、WHOが2019年に台湾から発せられた感染症に関する早期警告を無視したと明らかにしました。さらに、厳密な科学原則に基づく対応を取らず、都市封鎖政策を推進した結果、世界的な防疫方針を誤らせたと批判しました。
台湾大学政治学科 陳世民副教授
「なぜWHOは台湾の警告を完全に受け入れず、積極的な対応を取らなかったのか、私は強い疑問を抱いています。新型コロナウイルスの感染は明らかに中国武漢から始まったと一般に考えられています。当時、中共が感染の実態が外部に広まることを望んでいなかったのは明白です。こうした背景から、米国がWHOは中共の影響下にあり、もはや世界の公衆衛生安全を維持する重要な機関として機能していないと見ています」
米国の脱退理由について、WHOのマリア・ヴァン・ケルコフ氏は「完全に事実に反する」と反論し、台湾は当時警告を発したのではなく、情報提供を求めただけだと主張しました。
これに対し、当時台湾中央流行疫情指揮センターの指揮官を務めていた陳時中氏は、台湾がWHOに送った電子メールの内容を公開しました。そこでは、中国武漢で原因不明の肺炎症例が複数発生し、該当患者はすでに隔離治療を受けていると報告していたことが明らかにされています。陳氏はまた、「感染経路がまだ明らかでない段階で台湾に人から人への感染を明示せよ』と求めるのは、不当な要求だと強調しました。
米国陸軍研究所元ウイルス研究員 林暁旭氏
「WHOは長年にわたり、台湾がオブザーバーまたは正式メンバーとしての参加を申請しても無視してきました。これは、WHOが高度に政治化され、中共の利益に沿って運営されてきた証左です。台湾の防疫体制と成果は国際的に高く評価されています。にもかかわらず、WHOは中共の抑圧的な方針に従い、台湾を排除しています。これは政治を最優先し、世界の健康福祉を顧みない行為です」
評論家たちは、公衆衛生が政治的な駆け引きの道具と化したとき、世界の健康安全が深刻に脅かされると警告しています。
陳世民氏
「WHOはもはや国連憲章の精神、すなわち誰一人取り残さないという理念を実現できていません。台湾には2300万人の人口がありますが、新型コロナ流行期には、WHOが中共の影響を受け、台湾の参加を繰り返し妨げてました」
2002年に中国でSARSが発生した際も、WHOは中共の掲げる「一つの中国」原則に従い、、感染状況の通報を中共政府を通じて行う体制を取りました。その結果、台湾には感染情報が直接共有されず、医療上の指針も示されませんでした。このため、台湾は十分な準備が整わないまま対応を迫られ、最終的に81人が死亡しました。
陳世民氏は、台湾問題などの敏感なテーマでWHOが中共の下部組織のように振る舞っているとし、「こうした偏向的な運営は組織の公正性を損ない、感染症拡大時には情報の透明な流通を妨げ、WHOの意思決定の中核はすでに政治的に歪められていると指摘しました。
陳世民氏
「過去15年ほどの間に、WHOの事務局長の多くは中共の支援を受けて選出されています。このような背景のもとでは、特に台湾問題のような政治的にセンシティブなテーマにおいて、北京寄りの姿勢が明確に表れています。これこそが、米国がWHOからの脱退を決断した重要な理由の一つだと思います。とりわけ、米国はWHOへの最大の資金拠出国です」
評論家らは、米国政府のWHO脱退は衝動的な判断ではなく、長年にわたり専門性を失い、高度に政治化した組織に対する根深い失望の結果だと見ています。
林暁旭氏
「WHOは新型コロナの期間中、多くの職務怠慢を示しただけでなく、中共による感染情報の隠蔽を助け、形式的な調査に協力しました。さらに、世界秩序の在り方を変えようとする一連の行動をとってきました。例えば、デジタル健康証明の世界的推進や、主権国家を上回る権限を持つ国際機関となることを目指す姿勢は、いずれも現米国政府の保守的政策と相反しています」
林氏はまた、米国の脱退は世界の健康に対する責任放棄を意味するものではなく、『仕組みの転換』だと述べ、米国は特定のイデオロギーに支配されない、より透明で効果的な二国間および多国間枠組みを通じて、国際的な公衆衛生協力を進め、資金が操作された体制に流れ込むのを避ける考えだと指摘しました。




