【軍事】北大西洋海域で中露の軍事的脅威高まり 米海軍トップが強い懸念

米海軍制服組トップ、ジョン・リチャードソン海軍作戦部長はこのほど、北大西洋での中国ロシア海軍の航行活動が活発化しているとして、同海域の安全保障問題に関する懸念を示した。米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が5日報じた。

リチャードソン氏はVOAの単独取材で、中国軍艦のほか、ロシアの潜水艦も冷戦終結後の25年間に見られなかった高い頻度で、同海域に出入りしていると述べた。

同氏は、北大西洋における中国の軍事的存在感は「5年前までになかったことだ」と話した。中国海軍は、地球規模で行動するための「準備と能力」を備えつつあると指摘し、「海上脅威に関しては、もちろん彼らは我々の競争相手だ」と警戒感を示した。

一方、大西洋海域に潜むロシア潜水艦の脅威は、中国海軍以上のものだとして、さらなる懸念を抱いているようだ。

VOAは「北大西洋条約機構加盟国は、北大西洋におけるロシア潜水艦の動きを注意深く見守っている」と伝えた。

米政府高官は最近、ロシア潜水艦がアメリカ大陸と欧州大陸を結ぶ海底ケーブルを切断または盗聴することは十分に考えられる、と発言した。

北大西洋海域の情勢が複雑化するにつれ、米国は今年5月、大西洋に面する東海岸地区の海洋安全を担う軍司令部を再編し、2011年解散した第2艦隊を再編成すると発表した。増大するロシアの軍事的脅威に対抗するのが狙い。

マティス米国防長官が打ち出した防衛戦略の新しい方針は、米国家安全保障の重点はテロリズムではなく大国間の競争だとする方向に転換した。

 
関連記事