五輪に備え 河北省で石炭使用禁止令

中国の一部地域では、住民が冬の暖房用に石炭を使うことを当局が禁止しています。冬季五輪に澄み切った青空を確保するための措置だというのです。石炭に代わる手段も提供されていますが、それは大半の家庭にとって価格が高過ぎることは明らかです。多くの人にとって、厳しい冬になりそうです。

中国共産党政権が発表した新しい規則によって、この冬は一部の住民にとって過酷なものになる恐れがあります。

首都・北京を取り囲む河北省は、2月の冬季五輪に向けて準備を進めています。

大会期間中に北京で青空が見えるようにするために、河北省では、住民が自宅で石炭を使うことを禁止しています。

住民は石炭の代わりにガスや電気で暖を取るよう命じられています。

しかし、これらのエネルギー源は労働者階級の住民には価格が高過ぎて手が出せないことが多いのです。

住民の王さんはエポックタイムズの取材に応じ、見解を述べました。

王さんは、地元の人々が現在直面している苦難の最大の理由は、高い出費と低い収入のギャップにあると考えています。

河北省住民 王さん
「子供からの支援がなければ、冬の暖房費が払えない高齢者もいる。高齢者には収入源がない。私たちのように、老後の年金も貯蓄もない高齢者にとって、石炭の使用禁止は間違いなく冬の暖房に影響を与える」

現地の気温は既に氷点下8℃まで下がっており、これからもっと厳しい寒さがやってきます。

しかし、当局はそんなことを歯牙にもかけないようです。

当局は、住民のストーブを叩き壊してまで、新しい規定を遵守させようとしています。

河北省住民 王さん
「当局が石炭の使用を認めない以上、誰も石炭を使えない。もし使えば、村長や街道弁事所(がいどうべんじしょ)など末端の役人がやってくる。 さらには、警察を派遣してでも石炭の使用を止めさせるのだ」

台湾民主基金会の副会長である顔建発(がん けんはつ)教授もこの状況に言及し、中共政権はいわゆる「国難カード」を使い、庶民の生活を犠牲にして面子を保とうとしていると述べています。

しかし顔建発教授は、このようなパターンをいつまでも続けることはできないと言います。

台湾民主基金会副会長 顔建発氏
「最終的に、衣食住や暖房等の基本的なニーズが損なわれていることに気づいたとき、人々はもうあなたを信じなくなるのだ」

顔氏は、中国の大きな問題はバランスを取るための錘がないことだと考えています。中共政権は何をするにしても、脇目もふらず一つの方向へ突っ走るだけで、バランスを図る措置がないが、これは危険な状況であると述べています。

〈字幕版〉

 
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