食糧危機か反腐敗か 中国で食糧備蓄幹部が次々と拘束【禁聞】

中共メディアの最新の調査報告によると、中国はレッドラインである18億ムーの耕作地の確保に難航しており、農地が確保できたとしても十分ではないため、食糧の安定供給がすでに中共の重要事項になっていることが明らかになりました。北京当局はこのところ、食糧部門の反腐敗運動を強力に推進しており、浙江省食糧部門だけでもすでに27人が調査対象に上げられています。評論家は、食糧部門の幹部の大量拘束は、中国の食糧問題がさらに深刻化したことの表れだと指摘しています。

食糧の安定的な確保は現在、中共が解決を要する切実な問題となっており、食糧部門内部の「腐敗官僚」が初めて当局の調査対象となりました。

中国メディア「チャイナニュース(中国新聞網)」は2月22日、内モンゴル、四川省、遼寧省、陝西省、山西省、広東省、浙江省を含む複数の地域の食糧部門で反腐敗の嵐が吹き荒れており、浙江省の食糧部門だけでも27人が調査されていると報じました。

浙江省は中国で二番目の食糧消費地帯で、食糧の自給ができないため、主に他地域から調達して食糧不足を解決しています。

北京首都師範大学の元副教授 李元華氏
「中国は実際には数年前からずっと食糧不足になっていて輸入に頼っている。輸入するには外貨が必要だが、中国は中共ウイルスが蔓延してから経済が衰退している。そのため、外貨の不足を非常に恐れていて、支出を非常に怖がっている。だから彼らは今、この食糧部門の腐敗をターゲットにし始めたのだ」

報道によると、拘束された幹部はすべて、食糧部門で長年要職についており、一部の幹部の在任期間は30年を超えているとのことです。

北京首都師範大学の元副教授 李元華氏
「こうした官僚はみな、食糧部門で30年以上も役職についている。この問題は今に始まったことではないという意味だ。中共の官僚は実際のところ、みんな親族や友人関係を通じて特別待遇を享受しているため、新参者を受け入れることはあり得ないし、互いに警戒している。だから彼らはみんな、利益のために結託している。どんな部門もそうで、調べたら大量の腐敗が明らかになる。なぜなら今の腐敗は、すでに中共の役人の中で常態化しているからだ」

研究者は、中国の食糧部門の内情は深刻だととらえています。2018年に米中貿易戦争が始まった時点で、中共当局は食糧備蓄量を精査するよう命じました。しかし、その準備を進めていた矢先、中国全土の国家食糧備蓄庫で出火が相次ぎました。

北京首都師範大学の元副教授 李元華氏
「食糧部門の腐敗は実のところ、大昔から続いている。浙江省で27人が調査されているが、この数はまだ少ないと思う。中共官僚システムの中で、不正に手を染めていない官僚などいないからだ。とすると、食糧部門は食糧に頼っている。さらに二つの部門があって、一つはいわゆる備蓄食糧、戦争準備のための備蓄食糧で、この備蓄食糧を調査しようとしたら備蓄庫が火事になる。なぜか。その備蓄食糧がすべて転売されていたからだ。そうでなければ、質の劣る食糧を上質の食糧だということにして置いている」

2月14日、中共の官製メディア「経済日報」は、中国の耕作地が減り続けており、部分的に質も落ちていると報じました。都市部の拡大用地と建設用地の需要が突出していることが、耕作地の減少に歯止めがかからない主な原因となっているとしています。

雑誌『北京の春』の編集長でニュージーランドのジャーナリスト 陳維健氏
「十数年前にはすでに、この18億ムーのレッドラインが設定されていた。だがこのレッドラインは毎回毎回、この住宅開発によって反故にされてきた。中国の耕作可能な土地はあとどれくらい残っているのか、食糧耕作地はあとどれくらいあるのかについて、私たちはいまだに分からない。今もはっきりしていない」

中共最高指導者の習近平総書記は昨年末に耕作地保護要求を提起し、「18億ムーの耕作地は有名無実であってはならない。農地は農地であり、しかも良い農地でなければならない」と強調しました。では今、この「18億ムーの耕作地レッドライン」は守られているのでしょうか。報道によると、中国には現在、19億1800万ムーの耕作地が残っており、実際に耕作されている面積はその約7割です。

雑誌『北京の春』の編集長でニュージーランドのジャーナリスト 陳維健氏
「この種のデータは中共がどれくらいの数字を欲しているかを示しているのだ。いわゆる新たな農村開発でできた家には誰も住んでいない。全部空き家だ。しかし、農地はすでに完全にダメになっている。だから次に、農地にいくらかの数字をあてがう。そんな風にしかできないのだ。茶碗は自分の手の中にあるのではなく、外国が私たちの首を絞めているのでもなく、私たちが自分自身で、自分の茶碗を叩き壊しているのだ」

雑誌『北京の春』の編集長で、ニュージーランドのジャーナリスト、陳維健氏は、食糧部門の幹部の大量拘束は、中国の食糧問題がさらに深刻化したことの表れだと指摘しています。

 
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