今度は「焼かれた女性」 高まる真相究明の声【禁聞】

「鎖につながれた女性」事件の発覚後、江蘇省で今度は「焼かれた女性」事件が発生しました。江蘇省江陰市の陳情者である毛黎恵さんが数日前に闇監獄の中で焼死したとの話が広まり、民衆の間に衝撃が広がっています。多くの民衆が政府に真相を明らかにするよう要求するなか、この件に関連する陳情者が拘束されました。

「河北省石家荘市定州駅から天津行に乗り換えたとき、鉄道警察官は私の目的が陳情だということを理由に乗車を拒否し、江陰市申港派出所にここに来て私を拘束するよう通報した」

毛黎恵さんは2月16日、ウィーチャットのグループチャットに残したこのメッセージを最後に、連絡が途絶えました。

3月3日になって、江陰の陳情者が、毛黎恵さんが二日前にホテルで焼死したことに関する情報を発信しました。3月5日、毛さんの地元の村が、村民たちに毛黎恵さんの葬儀に参加するよう知らせました。

この情報を受け、江蘇省の陳情者の間に衝撃が広がりました。毛黎恵さんは江蘇省江陰市の農民で、2014年に申港居住区の西毛村で違法な土地収用に遭って自宅を取り壊されていました。毛黎恵さんは追い詰められて陳情に出たものの、そのために警察から暴行を受け、拘束され、嫌がらせを受けました。毛黎恵さんはまた、他の社会的弱者のためにも声を上げていました。

多くの陳情者が毛黎恵さんの行方を追いました。張家港の陳情者の陶紅さんは、江陰市公安局申港派出所と江陰市の通報プラットフォームに通報し、毛黎恵さんの今の状況を調査して返答するよう要求しました。

江蘇省張家港の陳情者 陶紅さん
「3月5日以前に私は失踪を届け出た。すると(警察は)分かったと言ったがそのまま放置した。3月5日に今度は、村委員会が、毛黎恵さんを火葬するので葬儀に参加するよう村民に通知したと聞き、私はようやくこの話を信じた。普通に考えて人が死亡したとデマ情報を流すことはあり得ないからだ」

吉林省の陳情者、劉永国さんは江陰市政府に対し、情報公開を求めました。劉さんはウェイボーに、「権利の保障を訴えていた毛黎恵さんが地元の浴場「浦東休閒センター」の浴槽の中で死亡しており、遺体に火をつけて証拠隠滅を図った疑いがもたれている。権利の保障を訴えている人たちの身の安全を保障するため、中央政府は調査団を派遣して真相を究明してほしい」と投稿しました。

毛黎恵さんと連絡が取れなくなってから3週間、死亡したとの情報が流れてから1週間後、新唐人テレビの記者が申港派出所に毛黎恵さんの状況を電話で問い合わせしましたが、明確な答えはありませんでした。

申港派出所
「その事件については調査中だ。私にも分からない」

ある陳情者は「警察は毛黎恵さんの家族に、彼女は焼身自殺したと伝えたが、陳情者たちはこの話を信じていない。彼女は拘留される時に持ち物検査を受けたはずだ。焼身自殺する道具を持っていたはずがない」と明かしています。

毛黎恵さん自身も以前に「どんなにたくさんの不当な処遇を受けようとも、私は絶対に自殺しない!いつの日か行政が司法に替わったり、権力が司法に替わったり、あるいは腐敗した司法分子が「毛黎恵は逮捕を拒んで自殺した」と通達したりしたら、それは間違いなく毛黎恵が殺されて口を封じられたということだ!」と宣言しています。

江蘇省無錫市の陳情者 厳雅言さん
「我々の合法的権益が犯されたら、我々は法に従って権利を守る。そのときに突然死んでしまったら、それが自殺だと思うか?自殺するような人は、権利の保護のために勇気を振り絞るなどできないはずだ」

陶紅さんは「毛黎恵さんは年越し前に自分の家が強制的に取り壊されるかもしれないと知り、抵抗しようと思った。毛黎恵さんと私は、毛黎恵さんが拘束されたら私が弁護士に助けを求めるとの約束を交わしていた。2月8日に私は毛黎恵さんとようやく電話がつながり、彼女の家が無事だったことを知った」と明かしています。

江蘇省張家港の陳情者 陶紅さん
「私も彼女が自殺などするはずがないと信じている。彼女はその後のことについても警戒心を持っていたし、自殺を図ることはあり得ない。彼女はやはり、自分に何か予測できないことが起こるのを怖がっており、常に警戒していた」

毛黎恵さんの事件は海外からも注目されており、ネットユーザーが次々と事実を追求しています。「鎖につながれた女性」に注目し続けている「驕傲女孩(プラウド・ガール)」さんは、毛黎恵さんの「自殺はしない」との宣言をリツイートしました。ツイッターには別のネットユーザーが、「鎖につながれた女性から焼かれた女性にエスカレートした!なんて恐ろしい社会だ!次はあなたや私や彼女だ!」と投稿しています。

また、当局はこの件に注目していた陳情者に対しても、口封じを行いました。

江蘇省江陰市の陳情者 姚宝藍さん
「私たちも多くは語れない。ある投稿を転送したら、彼らは私に何度も派出所に呼びつけた。今日は電話をかけてきて、私に来いと言った」

江蘇省江陰市の陳情者 周建民さん
「この件について、私たちもあえて陳情できない。陳情したら、彼らはすぐに私たちを捕まえに来る。ことが大きくなり、問題があるようだ」

無錫の陳情者、沈愛斌さんが「生きている一人の女性が、権利を守るため、このように不可解な死に方をした」と投稿したところ、沈さんは6日、無錫市公安局梁溪分局から呼び出されたうえ、家宅捜索に遭い、夜には「騒動挑発罪」の疑いで刑事拘留されました。

毛黎恵さんと同じ村に住む彼女の同級生も、「私たちのところの情報はすべて封鎖されている。私は派出所に連行された。グループチャットで声を上げただけで、すぐに捕まえに来る」「申港は最近とても緊張している。あの日100人以上が逮捕されたが、申港派出所には入りきらなかったため、下港派出所に拘留された」と明かしています。

 
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