上海で民衆と警察が衝突 市民「どっちつかずの」感染症対策

上海市で感染者数が増加したため、当局は再び一部地域の封鎖を開始しました。これを受け21日、閔行区では市民が激しく抗議しました。

当局の感染症対策員と住民が、柵越しにもみ合っています。上海市閔行区のある居住区では、大勢の住民が詰めかけて当局による突然の封鎖に抗議しました。

住民の抗議活動はほんのいっとき実を結び、大勢が自由に外出しました。しかしその後、当局が大量の武装警官を動員して現場を鎮圧したため、住民らは結局、再び封鎖管理下に置かれることになりました。

上海のタクシードライバー
「一夜のうちにまたやられた。七宝鎮航華は一夜のうちに終わった。我々は田舎に帰らなければならなくなったようだ。上海にはいられなくなった。上海から帰郷する人は私に連絡してくれ。安徽省淮南市まで4人座れる。もう田舎に帰る」

上海浦東区 王さん
「封鎖が終わらない。今日はこの居住区を封鎖したと聞き、今度はあの居住区を封鎖したという。彼らは企業が操業再開したというが、人々が家に閉じ込められているのに、どうやって生産を再開するというのか。いつまた封鎖されるかも分からないので、みんな怖がっている」

上海市当局は20日、静安区と閔行区でそれぞれ、いわゆる「社会面感染」が1件ずつ発生したため、それぞれを「中リスク区域」に指定し、21日から封鎖管理に入ると発表しました。しかし、周辺の居住区も巻き添えとなり、一緒に封鎖管理下に置かれたほか、さらに全員を対象にPCR検査も強制することになっ

上海市民
「ここ(陽性者が見つかった場所)から、左側は300〜400メートル、右側は100〜200メートルまでが、『合囲区』に指定され、封鎖管理下に置かれている。ああ、本当に魔幻の上海だ。ほかに話すことはない。話したら削除されてしまうから」

上海市浦東区 王さん
「毎週1回、全員がPCR検査を受ける。だがどっちみちどっちつかずのようだ。操業再開の件にしても、再開しても半分だけ。半分が再開しても半分は閉まっている。どこに行くにもPCR検査証明が必要だ。72時間以内の陰性証明だ」

動画の音声
「この会社も倒産した」

上海市当局は、6月から段階的に封鎖解除を進めると発表していましたが、当局は今も封鎖を続けているほか、健康コードによる制限もあって、各業界は通常の状態へとなかなか戻ることができません。

上海市浦東区 王さん
「現在の上海は、他地域、つまり江蘇省と浙江省から歓迎されていない。どこにも行けない。行ったら7日+7日間隔離だ。その費用は自費だ。すべてこんな風だから仕方がない。実際のところ、回復させるには時期尚早なのだろう」

 
関連記事