米メディアによると、多くの米国人個人投資家が中国資本の株を利用した相場操縦詐欺の罠にはまっていると報じられています。ユタ州のある大学教授は、投資広告を信じてしまったことで、わずか数日で8万ドルもの損失を被りました。専門家は、このような詐欺が中国共産党(中共)系の詐欺グループによる「米国株市場でニラを狩る新たな手口」になっていると警告しています。現在、米司法省もこの問題について捜査に乗り出しています。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によりますと、ユタ州の大学教授ブレーデン・リンドストロム(Braden Lindstrom)氏は、ソーシャルメディア上の自称「金融アドバイザー」の助言を信じ、ナスダック市場で中国企業のジェーアッド・グローバル・ロジスティクス(佳裕達全球物流)の株を購入しました。その結果、わずか数日のうちに8万ドルもの損失を被ったということです。
ジェーアッド・グローバル・ロジスティクスは本社を中国・深圳に置き、2023年に米国で上場しました。2024年12月以降、同社の株価は数か月にわたって急騰しましたが、2025年4月1日には1株あたり8ドルから0.35ドルへと急落し、実に96%の下落となりました。現在の株価はわずか0.19ドルとなっています。
株を塩漬け状態にしてしまったことに気づいた後、リンドストロム氏が参加していたWhatsAppの投資グループの管理者は彼に対し、「損失を取り戻すために別の中国企業に再投資するように」と勧めました。幸いにも彼は再び騙されることはありませんでした。しかし、他の人々は引き続き詐欺に遭っているのが現状です。現在、リンドストロム氏は約96名の被害者とともに支援グループを結成しており、被害総額は900万ドル(約13億円)に上るとされています。
この種の詐欺は、通常、米国で合法的に上場している中国の小規模企業を利用して行われます。詐欺グループ(トレーダー集団)は、まずこれらの株を事前に安値で大量に購入しておき、その後、ソーシャルメディアを通じて虚偽の好材料を流布し、個人投資家を高値での購入に誘い込みます。株価が急騰した後に高値で売り抜けることで、株価が暴落し、投資家は大きな損失を被ります。
2020年以降、約60社の中国企業がナスダックで新規株式公開(IPO)を行いました。データによると、過去2年間で3分の1以上の企業が、1日で株価が50%以上下落した経験があることがわかっています。さらに、17社の香港上場企業では、1日で時価総額が半分にまで減少した例もあります。
専門家は、こうした「合法に見せかけた実質的な詐欺」の事例が、米国株式市場で頻繁に見られるようになっており、いわゆる「ニラ狩り」として定着しつつあると指摘しています。現在、米司法省はこの問題をホワイトカラー犯罪の優先対策事項に位置づけており、特別捜査チームを設置して、首謀者の追跡や被害の回復に尽力しています。
しかし、関係する企業や相場操縦の関係者の多くが中国国内にいるため、国境を越えた捜査や証拠収集は困難であり、米国側は責任追及が難しい状況です。
ナスダックは、ハイリスク企業の上場基準をすでに引き上げていると強調し、また、2025年からは1ドルを下回る株価の企業に対する上場廃止の手続きを加速させる方針です。さらに、市場操作の取り締まりにおいて、規制当局や法執行機関と積極的に連携していくとしています。




