米国 イラン核施設を空爆 中共の立場は一層窮地に

イスラエルとイランの衝突はさらに激化しています。ついに米軍が動き、イランの核施設を空爆しました。これに対し、専門家は「イランの背後にいる後ろ盾である中国共産党(中共)が複合的な打撃を受けた」と指摘しており、中東における同党の影響力がさらに弱まり、立場が一層難しくなっていると見られています。

現地時間6月21日、トランプ米大統領は自身のSNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」で、米軍がイランのフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンにある3カ所の核施設への空爆任務を無事に完了し、戦闘機は安全に帰還したと発表しました。

台湾国防部のシンクタンク「国防安全研究院」 鍾志東博士
「イランの核施設には特殊な点があり、それは地下に隠されていることです。イスラエルは現在、こうした地下に埋設された核関連施設を攻撃する能力が不足しています。そのため、米国のバンカーバスター(超大型貫通爆弾)GBU-57が必要となります。今回の米国による攻撃の主な標的は、まさにこれらの地下施設を狙ったものです」

長年にわたり、イランは中共やロシアとの関係を深めてきたことから、一般に中東における中露勢力の代表的存在と見なされています。また、イランはハマスをはじめとするテロ組織への支援を続ける一方で、核兵器の開発にも積極的に取り組み、核保有国の地位を目指しているとされています。

6月13日、イランが「核兵器の臨界点」に近づいていることへの懸念から、イスラエルはイランに対して空爆を行い、核開発関連の施設を攻撃しました。

この件に対する中共の反応は、かつてのロシアによるウクライナ侵攻時の対応とは大きく異なっていました。中共外交部は即座に声明を発表し、イスラエルを非難するとともに、速やかな停戦を求めました。

台湾国防安全研究院 戦略・資源研究所の所長 蘇紫雲氏
「現在、中国(中共)は最も苦しい立場に置かれています。イランを失ったことで、地政学的に重要な拠点を一つ失っただけでなく、エネルギー供給面でも1日あたり170万バレルの低価格な原油を失うことになります。つまり、中共にとっては、複合的な打撃となっているのです」

台湾国防安全研究院・戦略資源研究所の所長、蘇紫雲氏によれば、イランは核開発計画を進めたことで国際的に孤立し、制裁を受けてきました。中共はその状況を巧みに利用し、イランの原油を密かに低価格で購入する一方、「一帯一路」構想のもとで経済的な植民地化を進めてきました。しかし、今後イランで政権交代が起こり制裁が緩和されれば、新たな政府が中共との蜜月関係を継続する可能性は低いと見られています。

国際社会では、戦闘の拡大に伴い、イランが世界で最も重要な石油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖し、通過する船舶を攻撃する可能性があるとの懸念が広がっています。これについて蘇紫雲氏は、もしイランがそのような行動に出れば、中共の立場も非常に難しいものになるだろうと指摘しています。

蘇紫雲氏
「ホルムズ海峡の護衛体制は、全世界にとって利益となるものです。しかし、中国はイランを同盟国と見なしており、もし中国海軍が護衛艦隊に加われば、西側諸国はもちろん歓迎するでしょうが、それは北京が自分の足を石で打つようなものです。つまり、ホルムズ海峡が開かれるか封鎖されるかは、北京にとって自分自身を映す鏡のようなもので、内にも外にも居場所がない状態なのです」

22日夜、トランプ氏は国内に向けて演説を行い、「イランのウラン濃縮施設は完全に破壊された」と表明しました。さらに、イランに対して和平協議に応じなければ、米国はさらなる標的への攻撃を行う可能性があると警告しました。

蘇紫雲氏
「今回のトランプ大統領の攻撃は、三つの目的を同時に達成したと言えます。第一に『核の牙』を抜いたことです。つまりイランの核開発能力を取り除いたことです。第二に、アラブ世界における米国の威信を回復したことです。他の国々も、同じアラブ国家でありながら共通の脅威となっている存在を排除してくれることを期待しています。そして第三に、中露の勢力を中東から追い出す結果にもなることです」

これまで、米国がイスラエルとイランの衝突に直接介入するか否かが、国際社会の大きな関心事となっていました。トランプ氏は以前、今後2週間以内に決断を下す予定だと述べていました。また、記者から空爆以外に地上部隊の派遣を検討しているかどうかを問われた際には、地上部隊の出動については話したくないと明言を避けました。

鍾志東氏
「このような限定的な戦争の下で、中国(中共)がイランを支援する方法は、調停者という立場を通じてイランに交渉の余地と時間を与えることです。もし限定的な戦争が続く場合には、経済支援や軍事物資の供給といった形での支援も予想されます。これは現在、中国がロシアを支援している状況と同じ構図です」

台湾国防部のシンクタンク「国防安全研究院」の鍾志東博士は、北京はイランの現政権が崩壊しないよう、あらゆる手段を使って支援しようとするだろうと指摘しています。ただし、中共には直接的に軍事介入を行う能力も意志も乏しく、実際にそれを実行すれば、米国を完全に敵に回す結果となるため、現実的には困難だといいます。

 
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