中国の音楽家が歌で中共に抗議 「中国が法治と民主へ進むことを望む」

元北京のヘヴィメタルバンド「軍械所」の中心メンバーで作詞・作曲を手がけてきた劉立新さんは、中国共産党に抗議する楽曲を制作し、自身が経営するレストランで披露したことから、中共の放送局から弾圧を受けました。劉さんは、中国が将来、法治と民主の方向へ進むことを強く願っています。

「闇に慣れてしまったからといって、闇を擁護してはいけない」

元北京「軍械所」ヘヴィメタルバンドの作詞・作曲家 劉立新さんはこれまで北京で4枚のレコードを発表し、「ベストミュージック賞」などを受賞してきました。2008年にはアルバム「Rock City」をリリース。その収録曲「新八栄八恥」は、自らが経営するバーで披露され、観客から熱烈な支持を集めました。

ロック音楽の作詞 作曲家劉立新氏
「言論の自由を誇りとし、異議を抑圧することを恥とする。人権の保障を誇りとし、一党独裁を恥とする。」

劉さんは、中共の提唱する「八栄八恥」を「民衆を愚弄するものだ」と捉え、音楽を通じて抗議を表現したいと考えていましたが、2009年に中共の放送局から封殺措置を受けました。

劉立新氏
「放送局から一通の命令が下り、音楽祭への出演ができなくなりました。その上、検閲は私たちのバンド名にまで及び、名前の使用も禁じられました。歌詞も文化局に提出して審査を受けるようになり、ステージで歌える内容まで細かく検閲されました。まずバンドが封殺され、さらに歌詞を理由に、私とボーカルの名前が文化部のブラックリストに載せられました」

正しいことはやり続けなければならないと信じる劉さんは、インターネット環境が厳しく制限されていた2014年、「壁を押せ」という楽曲を制作しました。ライブで披露すると観客から大きな反響を呼び起こしました。

劉立新氏
「我々の国には高い壁があり、それがすべての人々を制限しています。窓を開けて自由に呼吸したいのに、いまだに抑えつけられています。こんな生き方は嫌です。ただ自由を求める気持ちが心にあります。もし私と同じ思いをしたくないなら、一緒に独裁的な封鎖を打ち破り、そして壁を押し倒しましょう。私はステージに壁を作り、それを壊すパフォーマンスをしました。観客は大きな歓声を上げました。しかし同時に、警察は会場の入口に立ち続け、外にはパトカーも停まっていました」

その後もさらに2枚のレコードが発禁となりましたが、劉さんは常に中共に抗い続けてきました。

2018年に米国へ移住した劉さんは、中国国内で「江油事件」が発生した際、「新曲を出さずにはいられなかった」と率直に語りました。

劉立新氏
「もし先頭に立てないなら、隊列の後ろに続いてほしい。列についていけないなら、道端から応援してほしい。街頭に立てないなら、インターネット上で声援してほしい。それもできなければ、目を閉じて私のために祈ってほしい」

また、劉さんは、中共がアーティストを監視・統制するため、北京のロック音楽協会にまで浸透していることを明らかにしました。

劉立新氏
「こうした協会には私たちのようなロックミュージシャンが属していますが、そこには党の書記もいて、中共から派遣された人物です。まるで企業に党支部を置くのと同じです。非常に恥ずべきことだと思います」

劉さんは、中共により言論の自由が厳しく制限され、人々の創造力も奪われていると指摘します。

劉立新氏
「こうした言論統制は創造力に大きな影響を与えています。他の分野でも同じで、国際的に見ても、日本や韓国と比べて全く及びません。中国以外の世界に出ることすらできません」

そして劉さんは、中共の本質は暴力であり、いずれ崩壊すると強い口調で述べました。

劉立新氏
「幼い頃、強制的に少先隊に入隊させられました。しかし年月を経て共産党の本質を理解した今、私は正式に中共の少年組織『少先隊』から脱退することをここに宣言します」

劉さんは今後も新たな作品を生み出し続け、中共のない新しい中国の実現を願っています。

劉立新氏
「中国が将来、いつの日か法治と民主の社会に進み、次の世代により良い環境を残してほしいと願っています。大陸にいる親族や同胞も、いつか台湾や日本のような民主社会への道を歩んでほしいです」

 
関連記事