党や政府機関、軍の高官による不祥事や消息不明の事例が相次ぐなど、中国共産党(中共)の政局は混迷を深めています。とくに軍内部では人事の混乱が続いており、中共の軍報は最近、国際情勢の変化を踏まえて「忠誠を尽くし職責を果たすこと」や「常に戦備態勢を維持すること」を将兵に呼びかける評論記事を掲載しました。この発信が何を意味するのか、国内外で大きな注目を集めています。
中共の軍機関紙は10月6日に短評を発表し、その中で珍しく、国際的な政治・軍事情勢の変化に直面し、中共の安全保障環境において「不安定かつ不確実な状況が増している」と述べました。
大紀元のコラムニスト 王赫氏
「中共は長年『戦略的チャンスの時期』という表現を用いてきましたが、2022年の第20回党大会報告からはこの言葉が削除され、その代わりに『不安定要因が増加している』との認識を示しました。これは、中共の安全保障観が年々悲観的な方向へ傾いていることをうかがわせます。現在、台湾政策をめぐる中共の動向には、国際社会の注目が集まっています」
7月21日、米下院は全会一致で超党派の「2025年台湾衝突抑止法案」を可決しました。この法案では、中共が台湾に対して武力行使に踏み切った場合、米財務省が即座に経済制裁を発動することが定められています。
さらに、報道によると、中共の軍事的脅威に対応するため、EUも防衛力の強化に向けた動きを加速させています。
王赫氏
「現在、中共は経済の悪化と内紛の激化に直面しており、困難な局面を打開するために、軍備拡張や対外的な武力行使を切り札として伏せています。これにより、対外戦争に踏み切る可能性が大幅に高まっているとみられます。今回の軍報の短評は、中共が「建国日」(国殤日)に合わせて発表しましたが、その発するシグナルはきわめて悪質なものです」
一方で、中共指導部における権力抗争の激化により、軍の政治部門と軍事中枢の間では、極めて珍しい「二重断絶」と呼ばれる現象が生じているとみられています。これに伴い、軍委の権力体系はほぼ麻痺状態にあるとの見方が広がり、軍が実際に作戦能力を維持できているのかを疑問視する声も上がっています。
軍報の記事では、将兵に対し「忠誠を尽くして職責を果たす」ための具体的な行動を取るよう促し、「常に矢を弦にかけ、いつでも放てる構え」で戦備態勢を維持し、あらゆる突発事態に的確に対応することの重要性を強調しています。
王赫氏
「現在の中共軍の内部事情については、中共が厳重に情報を封鎖しています。しかし、一連の公式発表や軍関係者の発言から判断すると、この軍が実際に戦えるのか、そして勝利できる戦を遂行できるのかという問題は、依然解決されていません」
2012年以来、中共軍では多くの高官が取り調べを受けたり、消息を絶ったりしています。その中には、軍委政治工作部主任の苗華や前国防部長の李尚福も含まれます。今年の全国人民代表大会・全国政治協商会議(両会)終了後には、軍委副主席の何衛東が失踪し、現在も行方不明のままです。現時点で、第20期中央軍事委員会の7人の委員のうち、残っているのはわずか4人となっています。
米国在住の政治評論家 陳破空氏
「軍の上層部は麻痺状態にあります。この軍が実際に戦えるのか、米国と対峙できるのか、台湾を攻撃できるのか、といった点には大きな疑問が残ります。おそらく四中全会では、軍事委員会の問題と軍上層部の麻痺状態の解消が最優先の課題となるでしょう。しかし、現時点で成果がまったく見えていないという事実は、二派または複数の勢力間で激しい権力闘争が続いていることを示しています」
中共の四中全会は10月20日から23日まで北京で開催される予定で、会議で発表される高官の人事には外部から注目が集まっています。専門家の分析によると、これらの人事異動は今後の中共政局に大きな影響を与える見通しです。




