中国共産党(中共)第20期第4回中央委員会総会(四中全会)では、第十五次五カ年(十五五)計画の提案」が審議・可決され、「十五五」期間の経済・社会発展における主要目標が明確に示されました。専門家によれば、四中全会の公報からは、中共が改革開放の時代に終止符を打ち、中国経済が減速期に入りつつあること、そして政治的安全保障を経済発展よりも優先していることがうかがえます。
中共の第20期四中全会は既に閉会し、「第十五次五カ年計画の提案」が採択されました。今後5年間の方針として、「科学技術の自立自強」や「国家安全」などの目標が掲げられています。
ここ5年間、政治路線の後退と経済の低迷が続く中、「十五五」経済政策では引き続き、科学技術の自立強化、改革の深化、高品質な発展、高水準の対外開放が掲げられ、「経済建設を中心に」という方針も改めて強調されました。しかし、専門家によれば、四中全会の公報からは、中共が実際には改革開放の時代に終止符を打ったことが明らかになったと指摘されています。
米サウスカロライナ大学アイケン校経営学部の謝田教授は、「指令経済や計画経済のいずれも、現代社会の急速に変化する市場需要に対応することは不可能である」との見方を示しています。
米サウスカロライナ大学アイケン校経営学部 謝田教授
「毛沢東時代の経済は実際には幾度も崩壊しており、最終的に鄧小平は規制を緩和し、国民が資本主義的手法で社会主義経済を支えることを認めました。江沢民・胡錦濤の時代には、中国はWTOに加盟し経済の開放を進めましたが、中国が採用したのは自由で公正な経済制度でも、真の資本主義でもありませんでした。むしろ、最悪の形態の資本主義、すなわち特権資本主義であり、中共の権力者は権力を駆使して利益を資本化し、経済活動を通じて莫大な富を手にしました」
また謝田氏は、「中共の権力者たちは政治と経済の両面を独占し、いわゆる国有企業や大手民間企業を支配している。これは特権資本主義による必然的な結果である」と指摘しています。
謝田氏
「習近平の時代になると、このモデルはすでに限界に達しました。富の分配はさらに偏り、中共上層部の約500の家族は莫大な富と権力を手にする一方で、中国の一般国民は財産を奪われ、『ニラのように刈り取られる』ような状況に置かれ、不動産バブルによる巨額の債務を背負うことになりました」
大紀元のコラムニスト、王赫氏は、「中共の改革開放によって国際経済との接点は広がったが、依然として『檻』の中にある」と述べています。
大紀元のコラムニスト 王赫氏
「習近平政権になってからも、完全に毛沢東時代に戻ることは不可能だと本人も理解しています。なぜなら、中共という巨大な既得権益層の財産は、すでに国際資本と深く結びつき、高度に国際化しているからです。もし今、中国が世界経済との関係を断てば、まず中国経済が崩壊します。国際経済の循環に組み込まれなければ、中国の国内経済は確実に行き詰まるのです」
当局は、「十五五」計画の提案について「習近平が自ら起草グループの組長を務め、全過程を直接指導して決定的な役割を果たした」と強調し、「党中央による集中統一指導の堅持と強化」をアピールしています。
一方で、外部からは「共産党が中国で築いた公有制経済体制は、習近平時代に限界に達している」との見方も出ています。
王赫氏
「本来、中国には右寄りの方向、すなわち国際経済に融合する道が残されていましたが、習近平時代になってそれは完全に封じられ、時代に逆行しました。彼は『大国外交』を掲げ、世界の主導権を握ろうとし、『一帯一路』構想を推進しました。当時、彼は中国が世界第2の経済大国となった勢いで、10〜20年で米国を超え、世界最大の経済大国になれると考えていました。ところが、新型コロナの発生で中共は極端な『ゼロコロナ政策』を実施し、中国経済は大きく動揺しました。外資は大規模に撤退し、国内の民間資本もマイナス成長に転じました。さらに米中間の政治・戦略的対立が強まり、世界はこれまで『儲かる国』と見ていた中国を、今では『高リスク国家』とみなすようになっています」
謝田氏
「鄧小平・江沢民時代から残る特権経済の問題について、習近平は政敵排除の過程で是正を試みましたが、すぐに特権体制や既得権益集団の根が非常に深く、上下に広く張り巡らされていることに気づきました。もし彼らを一掃すれば、中共体制自体が崩壊するのです。そこで習近平は再び計画経済的手法への回帰を模索し、毛沢東時代を思わせる統制社会を復活させようとしました。しかし、現実にはもはや戻ることはできませんでした。彼が推進した“大食堂”や農村の合作社、都市の新型共同食堂などは、いずれも始まる前に頓挫しています」
謝田氏は、最後に「四中全会が終わり、習近平が直面する最大の危機は経済崩壊であり、それこそが政治危機の最大の背景となっている」と述べています。




