「不幸な星の元に生まれた」900キロの豚に買い手なく…中国遼寧省

900キロもの体重を誇る遼寧省丹東市の大豚が中国のソーシャルネットワークで人気を集めている。この豚は中国国内にアフリカ豚コレラが広まった影響で買い手が付かず、このまま売れ残ってしまうのではないかと所有者は気をもんでいる。

10月16日、豚肥育農家の張さんが所有する豚の画像がSNSに次々と転載された。体重900キロ、体長2メートル25センチ、胴囲1メートル75センチ、立った時の高さは1メートル10センチの巨体を誇るこの豚は「ビッグマック」と呼ばれており、同じ村の83歳の老人も、こんなに大きな豚は初めて見たと驚きを隠せない。

残念なことにこの大豚は、中国で流行中のアフリカ豚コレラの影響を受け、買い手が見つからない状況に置かれている。張さんは「売れなかったらどうしよう」と心配を隠せない。

中国では今年8月1日にアフリカ豚コレラが確認され、その後、中国全土に広まった。現在までに、当局による流行通知は29回に達し、さらに制御困難な状況に置かれる予兆もみられる。

中国の感染症予防専門家はこのほど、現在の状況は想像を絶すると吐露した。当局にはもはやアフリカ豚コレラの流行を食い止める力がなく、流行状況の変化を把握する研究室や専門スタッフは当局から厳格に管理され、関連情報の漏えいを禁じられている。

中国当局は「豚肉は安心して食べられる」と宣言したが、多くの中国人が疑問を呈している。遼寧省瀋陽市の郭さんはラジオ・フリーアジアに対し、「多くの人が敢えて豚肉を食べようとしないと聞いている。アフリカ豚コレラがなぜ今こんなにも流行してしまったのか、一般市民は理由を知らされていない」

国連食糧農業機関(FAO)と国際獣疫事務局(OIE)によると、アフリカ豚コレラには感染性があり、致死率100%で有効な予防ワクチンも治療法もない。

 
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