【動画ニュース】中国が台湾への個人旅行を停止 真の狙いは?

台湾では来年1月に総統選を控えており、香港では6月から「逃亡犯条例」改正案をめぐる大規模抗議活動が毎週続いています。そんな中、中国当局は突然、台湾への個人旅行の許可証の発行を当面の間停止すると発表しました。真の狙いは何なのでしょうか。

中国文化観光部は7月31日、中国大陸47都市から台湾への個人旅行を8月1日から当面の間、停止すると発表しました。理由については「最近の両岸関係をかんがみて」とだけ説明しています。

台湾では2020年1月に総統・立法委員選を控えています。台湾のメディアは、中国当局は台湾で重要な選挙がある度に、中国人の台湾旅行を制限する措置を取ってきたと指摘しています。

台湾内政部移民署のデータによると、今年5月の中国大陸からの個人観光客数はおよそ10万人で、同時期の団体旅行に比べ20%ほど多いとしています。中国当局が個人旅行の許可証の発行を停止すると、中国人は団体旅行でのビザ、または専門分野のビザで台湾を訪れるしかありません。ビザ申請費用も500元から4000元に引き上げられるとのことです。

台湾観光業界は、中国人観光客の減少に伴うホテルや民宿、飲食業などの業者が被る損失は200億台湾ドルに上ると推計しています。中国当局はこの措置をもって台湾の観光業界に打撃を与え、蔡英文政権への不満を引き起こすことで2020年の選挙結果に影響を与えようと企んでおり、台湾選挙に関与するための一連の措置の一つであると見られています。

一部の旅行業者は、中国当局は台湾で重要な選挙がある時は、およそ3か月前から台湾への旅行を制限するなどで圧力を加えてきたが、今回は5か月前から動いており、別の理由があるかもしれないと話しています。

これに対し多くのアナリストは、中国当局のこの動きは台湾の選挙関与のほかにも重要な目的があると分析しています。

一つは、台湾でも多くの市民が香港の「逃亡犯条例」改正案に反対するデモを支持しているため、台湾を懲らしめようと考えている。もう一つは、香港のデモで掲げられている「真の普通選挙」の要求と台湾の成熟した民主主義社会の姿が中国人観光客に「民主主義教育」の教材になりかねないということが挙げられています。経済の苦境と執政の危機に陥っている中国共産党は、大陸の民衆にこれらを見せたくないのです。

しかし、中国当局のこの措置によって、台湾選挙に影響を与えるという目的は果たして達成できるのでしょうか。

まず、台湾観光業の大陸への依存度は現在、下がりつつあります。台湾観光局のデータによると、2018年、大陸からの観光客の数は連続3年間減少しています。そのいっぽうで、近年はタイやフィリピン、ベトナムなど東南アジア諸国の観光市場の開発に力を入れており、これらの国からの観光客数は連続3年間増加の傾向にあります。

次に、台湾交通部は今回のことを受け、旅行業者への支援策を発表しました。今年の第4四半期には36億台湾ドル(約125億円)の予算を投入し、秋冬の観光を奨励し、観光業を刺激するとしています。

また、中国共産党は経済、政治、フェイクニュースなど、手段を尽くして台湾選挙に関与していますが、これらの手口が次々暴露されるにつれ、かえって台湾の人々が民主主義を守る意志を固めるといった逆効果になりかねないのです。

 
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