上海で世界でも類のない大規模都市封鎖 世界経済への影響を懸念

人口2600万人を抱える中国最大の都市・上海は、中国の金融・海運・貿易の中心地でもあります。当局が厳格な分割式の封鎖管理を実施したために人為的な被害が多発して、民衆の怒りが高まっているだけでなく、世界の金融市場も焦燥感を募らせています。

上海市民
「飯を食いたい!仕事がしたい!我々には知る権利がある!」

3月28日、上海市の東半分で都市封鎖が始まり、西半分は4月1日に始まりました。人口2600万人を抱える大都市でのロックダウンは世界でも例がありません。

上海の元大学教授 顧国平さ
「彼らは約束を反故にして、都市封鎖を続けている。彼らの行為は憲法や法律に違反している。彼らは今回の感染拡大を口実に、我々の身体の自由を奪った。生活、仕事、外出にも影響が出ている」

中共当局の厳格な管理下に置かれている今回の都市封鎖も生活の保障はありません。市民は満足な食べ物もなく、病院も受診できないほか、医療体系が崩壊し、小規模な店舗は経営を継続できなくなっています。生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされても、救済を求める窓口はありません。

上海のがん患者
「私は、指定された隔離病院で治療を受けるより方法がない。私が入った直後に政府がこちらの都市封鎖を通知した。それからというもの、どこからも助けてもらえない」

上海市民 黄さん
「私たちは浦西に住んでいるが、買い物はすし詰め状態で、品物の奪い合いも起きた。よその産地の野菜が上海に入ってこれなくなった」

上海市民 謝さん
「PCR検査の際、10人の検体を一つの容器の中に入れている。その中の一人が陽性になったら、10人全員を隔離する。彼らはあたりかまわず探し回って、警察を呼んで捕まえて連れ戻す」

ニューヨーク大学の留学生
「目を覚ましたら、フェンスで囲まれていた。通知もなく、予告もなく、知らせもなかった。だから私の生活用品はとても少ない。フェンスの中に閉じ込められて、まるで檻の中にいるようだ」

上海当局の封鎖措置は世界の金融市場の焦燥感も募らせています。投資家は中国経済と世界経済に不安を感じています。

AP通信によると、マッコーリーグループは、中共の封鎖措置は中国経済を失速させるリスクを高めており、最も大きな衝撃を受けるのは消費業界と不動産市場だとの見解を示しています。

また、上海の港湾と空港の荷役量(にやくりょう)は世界上位に入るため、ロックダウンは世界のサプライチェーンとインフレにも影響します。

世界最大の海運企業A.P.モラー・マースクは、上海の都市封鎖はトラック輸送サービスに深刻なダメージを与えただけでなく、輸送コストも上げたと表明しています。マースクはすでに顧客に対し、上海を出入りするトラックサービスが30%減少し、上海の倉庫は4月1日まで閉鎖されると通知しました。

 
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