集団で“寝そべり”はタブー? 中国の『独身者村』が解散処分に

中国の経済環境が悪化し続ける中、多くの人が「寝そべり(社会の競争から離脱)」を選んでいます。最近、ネット上で話題になった「光棍山荘(独身者の村)」が抗えない力により解散させられたと宣言しました。評論では、中国共産党(中共)の目には、集団で寝そべる行為が一種の積極的な抵抗運動のように映るため、そのような行動は許されないと指摘しています。

中国のユーモア系インフルエンサー「重慶光棍哥(重慶の独身兄さん)」は、数人の結婚適齢期を過ぎた独身男性を集めて山中で隠居生活を始め、「寝そべり生活」をライブ配信していました。彼らは自ら野菜を育て、家禽や家畜を飼育するなどの生活を送り、「過度な競争(内巻)」と「結婚」を拒否し、「家畜のようには生きない」と強調していました。

重慶光棍哥(重慶の独身兄さん)
「今の世の中の状況はこんなに悪いのに、俺は“3なし人間”ですよ。つまり『住宅ローンなし、自動車ローンなし、子供なし』。だったら、なんであなた(社会や体制)のために働いて、命まで削らなきゃいけないんですか?」

「光棍山荘(独身者の村)」は、中国本土のインターネット上で瞬く間に話題となり、多くの若者たちがファンになっています。

しかし、5月15日に「重慶光棍哥」は突然、「何らかの抗えない力により、『光棍山荘』は本日をもって正式に解散いたします」と発表しました。

米国在住の時事評論家 藍述氏
「『寝そべり』は本来、消極的な行為であり、ある意味では一種の不服従運動と見なすことができます。しかし、もし『寝そべり』が集団的なものとなり、さらにその様子が動画としてインターネット上で広まるようになると、この消極的な抵抗は、積極的で広範に伝染可能な行動へと変わります。中共にとって、これは当然許容できないことです」

この件は、X(旧Twitter)上で大きな話題となり、多くのネットユーザーが議論を交わしました。人々が集団で「寝そべり」を選んだことが、中共当局の敏感な神経に触れたのだと指摘されています。

あるネットユーザー
「この数人の男性たちは、政治的な要求など一切なく、ただ一緒に『寝そべり生活』を送りたかっただけなのに、結局“不可抗力”によって強制的に解散させられました。これを見るだけでも、当局(中共)がいかに脆弱であるかが分かります。民間による自発的な『組織的行動』を、当局は何よりも恐れているのです」

「彼ら(当局)は、人々が団結することを本当に恐れているのです」

藍述氏
「突き詰めれば、中国という国は巨大な監獄のようなものであり、中共はその看守、そして一般市民は囚人に過ぎません。もし囚人たちが一体となって積極的な抵抗運動を始めるようなことがあれば、それを看守する共産党が許すはずがありません」

時事評論員 鄭浩昌氏
「中共は、どんな理由であれ、国民が団結することを非常に恐れています。たとえ釣りクラブのようなものを立ち上げようとしても、解散させられてしまうでしょう。中共が統治を維持するために使っている、非常に邪悪な手段のひとつは、国民をバラバラの砂粒のような存在にしておくことです。彼らは軍や警察で完全武装し、民衆を弾圧する際には非常に強硬な態度を取りますが、実際には人数の面で見れば、国家機構は国民のごく一部にすぎません」

時事評論員の鄭浩昌氏は、中共は国民が団結することを防ぐため、すべての非公式な組織に対して、いずれかの政府部門に所属させるよう求めており、これは「帰口管理」と呼ばれる制度であると述べています。この仕組みによって、組織は厳しく管理され、自由に動くことができなくなっているということです。

鄭浩昌氏
「すぐに潰せない場合や、影響が大きすぎる場合、あるいは体裁を取り繕う必要がある場合には、別の手段として取り込むという方法があります。つまり、“看板は羊、売っているのは犬の肉”のような、見せかけだけの組織を作るのです。たとえば、いわゆる三自愛国教会のようなものです。『光棍山荘』のような存在は影響力が小さいので、そうした段階を踏むことなく、すぐに潰されました。いわゆる“不可抗力”とは、そういう意味なんです」

近年、中国では経済の低迷が続き、全体的な生活環境がますます厳しくなっています。社会にはさまざまな混乱が広がり、人々の生活は困難を極めています。そのような中で、民間から中共の官僚機構に至るまで、多くの人々が「寝そべり」を選ぶようになっています。若者は結婚や住宅購入を望まず、企業の経営者はまず自分の身を守ることを優先し、もはや投資しようとはしません。中共の官僚たちも極力「何もしない」ことを選び、ただ職を失わないようにと日々を過ごしています。

こうした状況に、中共当局は大きな危機感を抱いており、官製メディアは「寝そべりは有害な思想だ」と繰り返し喧伝するなど、焦りを見せながら対応しています。「運命を受け入れるのはよいが、寝そべることは許されない」といった論調です。

人口危機を解消し、若者に結婚や出産を促すために、かつては大規模な強制中絶政策を実施していた中共は、現在ではその方針を180度転換し、あらゆる手段を使って結婚・出産を促そうとしています。

しかし現実には、経済の低迷や失業率の急上昇、生活の不安定さなどを背景に、結婚や出産にかかる負担を懸念する若者が増え続けており、「結婚しない・子どもを産まない」という選択をする人が後を絶ちません。

中共民政部の統計によると、2024年の全国の結婚登録件数は約610万組で、前年の2023年に比べて20.5%の減少となり、1978年に統計が始まって以来、過去最大の下落幅を記録しました。

2025年の最初の3か月間で、全国の結婚登録件数は前年同期と比べてさらに15万9000組減少しました。一方で、離婚件数は前年同期比で5万7000組増加しています。

 
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