最近、中国共産党の官製メディア中央テレビ(CCTV)が、配達員をテーマにした短編映像を公開したところ、ネット上で嘲笑と批判を招き、間もなく取り下げられました。その後、この映像に登場した女性配達員を演じたとみられる女性が、「自身は俳優である」と吐露したため、直後に女性のアカウントが凍結されました。ネット上では「中共が言論の自由を抑圧している」「中国にはもはや真のメディアは存在しない」といった批判が相次いでいます。
11月28日、CCTVは「配達員」をテーマにした短編映像を公開しました。内容は、「アラン」という名前のグラフィックデザイナーが単調なホワイトカラー生活に飽き、カメラマンになる夢を追うために会社を辞めて配達員になったという物語でした。
映像は風光明媚な雲南省大理市で撮影され、配達員としての日常を清々しく、美しく、ゆったりとしたものとして描いていました。
作中の主人公「アラン」は、「配達の仕事は、道すがらの景色をいつでも楽しめるだけでなく、夢に一歩近づいた気持ちにさせてくれる」と語ります。カメラを首にかけながら料理を配達するシーンもあり、首から下げていたカメラは1万元(約20万円)を超える高価な一眼レフでした。映像では、「2か月ほど働いただけで新しいカメラを購入し、写真展も開催した」と話す場面も見られます。
「アラン」は、「配達の仕事を通じて人生の幸福を見つけた」と語っています。
CCTVはこの映像を通じて「飾り立てた物語」を描写しようとしたようですが、中国本土のネットユーザーや実際の配達員たちの間で強い反発を呼びました。現実味に欠け、厳しい風雨の中で時間に追われて働く本当の配達員たちの姿とかけ離れていたためです。ネット上では「最も腹立たしいプロパガンダだ」「励ましどころか精神的な詐欺だ」などといった批判のコメントが相次ぎました。
「配達員」を演じた俳優は、当初の投稿で「私、CCTVに出演しました!2か月前にCCTVと美団(フードデリバリー大手)の撮影に参加し、完成版を受け取りました。あの日は雨の中で階段を何度も上り下りし、配達員の大変さが身に沁みました」と述べていました。
しかし映像が物議を醸した後、彼女は声明を発表し、「私はただの普通の俳優です。当時、役が『配達員』だということしか知らされず、具体的な内容は一切知らされていなかった。撮影の前日に初めて台本を受け取り、ようやく内容を知った。映像で使われている撮影機材はすべて制作チームの小道具で、私の私物ではない」と釈明しました。
現在、俳優のアカウントはすでに凍結されており、CCTVの公式アカウントからも当該映像は取り下げられています。
ネットユーザーからは、「俳優を責めるべきではない。批判すべきはCCTVだ」「現実離れした宣伝は茶番にすぎない」「CCTVの姿勢こそ醜い」「人々はもう簡単には騙されない。旧来のやり方は通用しない」「苦難を美化するなんてあり得ない」「こんな現実離れした内容をよく思いつくものだ」「恥知らずにもほどがある」「演技で苦難を美化するとは」といった厳しい声が寄せられています。




